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生活空間コーディネーター平野美香さんの連載記事第5弾です。
今までの記事はこちらからご覧くださいね。
モノの住所をつくる
前回の記事で、美香さんがオンライン相談をスタートしたこと、お伝えさせていただきましたが、さっそく私も相談をさせていただきました!
相談は、LINEビデオ通話で相談したい場所を写しながら行いました。
私が今回相談したのは、テレビ前スペースの汚さ!です。
勇気をだして公開しますっ(笑)
最近、息子と夫が桃鉄にハマっているため、テレビの前に集まることが多いです。
娘も寝転がせたりするので、マットがわりに毛布を敷いているのですが、
これがめくれたり、シワシワになったりで、美しくありません。
アンティークの棚もお気に入りなのですが、扉がはずれてしまい、置いてあるものがマスクとかリモコンとか実用的なものが剥き出しになって、おしゃれ感ゼロ。
娘のおもちゃ、洋服、おもちゃが散乱し、ぐちゃぐちゃです・・・。
家がとにかく汚くてテンションが下がるんです。
3人目生まれたばっかりだし、無理しなくていいとは思うのですが、もう少しキレイな空間で過ごしたい・・・。
子どもたちはおもちゃを出しっぱなしで、とくに長男は出したら出しっぱなし。お菓子を食べても、お菓子のゴミをその場に捨てる勢いです(涙)学校のモノもよくなくなって、探すの時間がかかっています。
今は、ほぼ私がひとりで家の片付けをしている状況なんです・・・。
もしかして、家族のモノの住所が統一されていないんじゃないかな?
散らかすのは大いにOKなんだけど、大切なのは「自分で片付けられるようになること」。
モノが戻る場所をつくってあげたら、子どもたちも片付けができるようになるはず!
たしかに・・・!
このスペースだけをみても、混乱する要素がたくさんです・・・。
おもちゃを入れるための棚の扉は壊れていて開けづらいし、日用品コーナーがなんでもコーナーになっているので「とりあえず、つっこんどけ!」というゴミ箱みたいな感じになってる・・・。
ここ・・・リビングのなかでも目立つ場所なので、毎日この光景が目に入るのはとってもストレスです。
たとえば、モノの住所を一日の流れでつくってみるのはどうかなぁ?
たとえば、あさひちゃん(次女)とのおでかけのとき、出発前にどんな行動をとる?
うーんと・・・おむつを取って、毛布をとって、着替えをセットして・・・
車の鍵とか財布、手帳を入れて。。。
そうそう。そんな風に、一連の流れが一箇所で完結するように、モノの居場所をつくるのがいいと思う!
たとえば、あさひちゃんのお出かけセットを押し入れの一角にセットしておくのとか、いいんじゃないかな。
なるほど〜。
いつも、それぞれのアイテムを探し回って、出発前にモタモタしてしまうから、
まとめておくとスムーズになりそう!
そう。時間が一番大切だからね。
探し物をしている時間が一番ムダだと思う。
どきーーーーん!た・・・たしかに。
ちなみに、うちの息子はものづくりが大好きで、そこらじゅう作品だらけなんですけど、どうしたらいいですか?
飾りたい気持ちは叶えてあげたいよね!
だったら、自由に飾れるスペースをつくってあげたらどうかな?
今、流行っている押し入れ収納をつくってもらうのはどう?
押し入れ、今こんな感じなんですが・・・!
押し入れの扉をとっぱらって、棚をつくったり、壁紙貼ったりして、
分かりやすい・見てもわくわくする場所に変えると、
子どもたちも楽しく片付けしてくれると思う!!!
「扉をとっぱらう・・・!」
その発想はなかったです。
確かに、扉がないだけで片付けのハードルが下がりそう。
「一生に一度の買い物」だと思わなくてもいい
ち・・・ちなみに、テレビの前のヨレヨレ毛布がどうしても気になるんですけど、何かいい方法ありますか?
テレビの前に小上がりをつくったらどうかな?
少し高さのある畳のようなものを置いて。
たぶんホームセンターとかにあるから。
そうすれば、この空間がお部屋のようになってさらにくつろげるし、
空間にもアクセントが生まれる。
小上がりか・・・!!!
考えもしなかったです。さすが空間の魔術師。
私には、ソファとかテーブルとか新しいインテリアを足すことしか考えていなかったです。
もうひとつ・・・
テレビ横に置いてある棚なんだけどね。
長年つかっている家具を大事に受け継ぐのはよいことなんだけど、こだわりすぎないことが大切だと思う。
姿を変えて、用途を変えてみたらどうかな?
もしくは手放すのもアリだと思う。
あぁ〜この棚、お気に入りだから執着してたかもしれません。
家具の買い物って、「一生に一回」って考えてしまいがちだけど、実はそうじゃないと思う。
働き方、暮らし方が変わるたびに、柔軟に変えていけるもの って捉えたら気持ちが軽くなるよね?
そもそも、今の居場所だって、「終のすみか」ってとらえなくていいと思う。
う・・・。
「家を建てたから、一生ここに住まなくちゃ!」って無意識で思っていました。
たとえば、このソファーも。
「せっかく買ったから、壊れるまで使わなくちゃ」って思ってるかもしれないけれど、手放すのもアリ。
この空間、ソファーをとっぱらって何もない空間にするのも素敵だと思う。
そっかぁー・・・その提案は思いもよらなかったなぁ。
私はインテリアを追加することしか、考えていなかったです。
「家族との距離感」と「私個人の心地よさ」
美香さんにアドバイスをもらって、まずは思い切って空間の捉え方を変えました。
家を建てるときに
ここは主寝室、ここは子ども部屋、ここはリビング・・・って、空間に役割を当てはめがちだけど、全部とっぱらってOK!
その時々の家族の形に合わせて、自由に役割を変えたのでいいと思う。
家族とはずっと一緒にいるからこそ、距離感の作り方が大切!
美香さんにそんな言葉をもらって、ハッとしたんです。
私の仕事スペースは、キッチンのすぐ隣にあります。
なぜこのポジションなのかというと、「お料理をしながら仕事をするため」でした。
家を建てた当時は、子どもは長男1人。
夫は会社員で遅くまで仕事をしてから帰宅していたので、私は家事・育児をこなしながらその合間に少しでも仕事を進めるというやり方をしていました。
今はどうでしょう?
子どもは3人に増え、料理は全部夫がしてくれるようになりました。
どちらからというと、私は、家事よりも仕事に集中しなければなりません・・・(笑)
でも、キッチン横で仕事をしていると・・・どうしても気になってしまうんです。
家事や育児のことが!!!
今は、オンライン取材も多いので、この場所では家族も気を使わないといけないし、やりづらい。
・・・というわけで、「子ども部屋」にする予定だった部屋を思い切って私のテレワーク部屋(仮)に改造しました。
お気づきでしょうか・・・TVの前にあった、問題の「棚」を、この部屋に持ってきたのです。
問題の「毛布」もお引っ越しです。
美香さんに、「家族との距離感」「私個人の心地よさ」を問われ、改めて気がついたこと。
それは、
・作業に集中したいときに籠るスペースがほしい
・子どもを完全にシャットアウトするのではなく、一緒に居ながらも仕事ができる環境がほしい
ということでした。
キッチン横の作業スペースは、机の位置が高く、壁に向かっているため、
子どもに「こっち向いて〜」と引っ張られることが多かったんです。
こちらのローテーブルだと、子どもの目線に近いし、
顔は子ども側に向けられるので、子どもたちも安心して遊べます。
もちろん、集中したいときは追い出します(笑)
棚を移動させることで、テレビ前のスペースがすっきり!
小上がり畳は高さがあるものを見つけることができなかったので、いったん薄い畳シートを設置。
放置していたちゃぶ台を置いて、息子と夫が桃鉄で遊びながら、娘もシルバニアファミリーで遊べるスペースとなりました♪
まだまだ理想からは遠いけれど、大きく前進ですっ。
なんだか全体的にすっきりしました。
空間によってつくられる“心”のコーディネート
この家に住みはじめて10年。
必要な家具は既にそろっているし、もうこれ以上モノは増やしたくない。
しかも、ぐっちゃぐちゃでオシャレに暮らせていないから、インテリアコーディネーターさんにアドバイスをもらうなんてお門違い。
美香さんに出会うまでは、そう思っていました。
インテリアコーディネーター=インテリアを提案する人、おしゃれな人がおしゃれな空間をつくるために依頼する人 というイメージがあったからです。
でも、美香さんに相談に乗ってもらって感じたんです。
美香さんがやっているのは、インテリアの向こう側。空間によってつくられる心の部分のコーディネートなんだと!
5人がぎゅっと集まった暮らしは、もしかしたら今だけかもしれない。
子どもの成長は早いから、あっという間に「子ども部屋」が不要になってしまうだろう。
語弊を恐れずに言うと・・・
よく、家づくりの際に
「年をとった時のことを考えて、車椅子仕様に」とか
「子どもが増えたときのための、仕切れる空間」とか
将来を踏まえた空間づくりをすることが多いけれど、
果たして今の時代、それは必要なのだろうか?
コロナ禍で思うのは、「明日、どうなるのか分からない」ということ。
だからこそ、“今” にフォーカスするのが大切。
美香さんの提案は、まさに、“今”の気持ちにフォーカスして、柔軟にかたちを変えていくことを後押しするものでした。
空間のプロだからできる具体的なアドバイスもあって、
私に、私の家族に、必要な言葉をくれるそんな相談会です。
とにかく1時間の情報量がすごいです!!!!!
これからのモノ選び、暮らし方のヒントとなる言葉のシャワーを浴びられる感覚です・・・!
これからの空間づくりはビジュアルじゃないのかもしれない。
本当に必要なのは「コトバ」なのかもしれません。
今だからこそ、空間を変えるときなのかもしれない
インテリア相談というと、どうしても家を建てるタイミング、リフォームするタイミングじゃないと・・・というイメージがありますが、もっと気軽にプロの視点を頼っていくの、いいなって思いました。
カーテンを買い替えるタイミング、
家族が増えたタイミング、
家で心地よく過ごせなくて悩んでいる時、
気分転換に・・・etc
インテリア本を読むのも楽しいですが、
今の自分に必要な言葉は、やっぱり対話を通してうまれると思うのです。
おうち時間が増える今だからこそ、気軽に暮らしをアップデートしてみてはいかがでしょうか。
きっとたくさんのヒントがみつかるはずです。
生活空間コーディネーター平野美香