ある時は旅人、ある時は経営者の相談役、ある時はライバー、ハーブティー屋さんetc…いろんな顔を持ち、一言では言い表せないスーパーフリーランスかんちゃん。
彼女の実態を暴く(笑)このシリーズもいよいよ3回目。
(過去の記事はこちらからご覧くださいね!)
今回は、満を持して!かんちゃんのメインのお仕事、経営者の夢を支えるお仕事について伺います。
「経営者の夢を支える」っていう言うとなんだかふわっとしてるけれど、分かりやすく言うと「経営者が夢を叶えるために必要なお金まわりの相談に乗ること」です。
経営者のお金まわりの相談に乗る・・・って、コンサルのことって思いますよね?
でも、かんちゃんがやっているソレは、どうやらコンサルではないらしい・・・。
じゃあ一体なんなのさ!?
具体的な事例もお伝えできればと思い、今回はかんちゃんにサポートを依頼していたという1day1spoonの村上友美さんにもご協力いただきました♪
将来の解像度を上げていく
お二人はどうやって知り合ったのですか?
共通の知人から「めちゃくちゃ面白い子だから、会ってみたらいいよ〜」ってオススメしてもらったのがきっかけでした。
え!
そんな感じ(笑)?
むしろ、そんな感じしかないですね。
その時、ちょうど伯方島への移住を考えていた時期で。場所探しや銀行まわりをしている状態だったので、頭の中がパンパンだったんです。
誰かに話したい欲が高まってた頃に出会ったから(笑)、初対面からオンラインサロンのシステムづくりのことや黒麹の販売のこと、たくさんしゃべった気がする・・・!
かんちゃんって、なんでも答えられるでしょ?
だから、話しているうちに既に「こうしたらどうですか?」というアイディアがどんどん出てきて。
そうでしたね。
友美さんは「こうしたい」っていうことが明確だったので、私がお手伝いできそうなことをまとめて、もう一回面談しましょうということになりました。
私ができることって、将来の解像度を上げて、今後出てきそうなハードルを予測して、それを乗り越えるためにできることを提案していくこと だと思うんです。
その日のうちにリストが上がってきたのでびっくりしたんです。
さすが・・・必殺仕事人!!
で、そこから契約して、友美さんが抱えている課題を解決していくことになったというわけですね?
そこから、月に2〜3回会って友美さんの話を聞かせていただくようにしました。
友美さんは、やろうと思ってることをすぐに実行に移せる方なので、めちゃくちゃペースが速かったです。
「明日銀行行ってプレゼンするんよね」
「何プレゼンするんですか?」
「今から考えるところ!」
「じゃあ、今晩やりましょうか」
みたいなスピード感でした(笑)
やりたいことを実現するためには、まとまったお金が必要なこともありますよね。
私が友美さんと出会ったのは、ちょうど友美さんが銀行からお金を借りるためにプレゼンをしようとしていたタイミングだったので、資料づくりから一緒にさせていただいたんです。
ずっと一人で抱えていたものを、かんちゃんにいったんアウトプットさせてもらうことで、どんどん頭が整理されていきました。
私、数字が全然ダメなので、第三者に分かるような落とし込みをしてもらえたのも助かりました。
銀行さんにしなくちゃいけないことなんて、私には何も分からないんですよね。そこらへん、かんちゃんはプロだから!
友美さんのやりたいことがたくさんあったので、「この年度はこれ、次年度はこれ」というように段階的に整理をさせてもらいました。
機械を入れて製造のキャパが増えたら、売上がどのぐらい上がっていくか。そういったところも細かく試算していきました。
あぁ〜。この部分苦手な人が多いですよね。私も苦手〜(涙)
「この機械入れたら、絶対売れるんよ!」みたいに、希望で話してしまいがち・・・。
そうそう!
「大体2〜3倍UPぐらいかな〜」とか、言っちゃうんですよね(笑)
でも、それでは銀行さんは納得しないですからね。
こういう事業計画書って、「なんとなくこのぐらい」でつくっちゃう人が多いんですよね。
私は、具体的に落とし込んでいくので、友美さんのケースだと「今は麹を蒸す工程に⚪︎⚪︎時間がかかる→機械にしたらこのぐらい時間短縮できるから生産量は今の⚪︎倍になる」みたいな感じで数字にしていきました。
「希望的観測」ではなく、事実ベースで落とし込んでもらっていると安心しますね!
ここの試算が甘いと、あとから大変なことになりますもんね。
自分の想いはゼロ!? 相手の想いを否定しない
かんちゃんと出会ったときに私、「かんちゃんってコンサルなの?」って聞いたと思うんだけど、そのときに「アドバイスしないコンサルみたいなものですかね。でもコンサルとも違うから、肩書きを迷ってる」みたいなこと言ってたよね!
かんちゃんとしては、コンサルみたいなアドバイザーと大きく違うところって、どういうところなのかな?
アドバイザーの中には、個人の思惑を反映 させちゃう人も多い気がします。
「ここが弱みだから、ここを強化しましょう」とか個人の思惑で戦略が立てられていくこともあって。その方の成功経験や数字的根拠をもとにされていることだと思うので、そのやり方も否定しないのですが・・・
ただお客さまからは、「机上の空論みたいなことばっかりで現場を分かっていない」とか、「自分のやりたいことからだんだん離れていく」とか…そんな不満を聞きました。
私はそういうやり方とは違っていて、たとえば資料づくりをする場合、私の想いはゼロで、ただただお客さまの想いが乗ったものをつくっているんです。
すごいな〜。100%相手の想いで作り上げるって逆に難しいよね。
これができるのは、かんちゃんが元銀行員だったからなのかな?
それもあると思います。
たとえば、銀行でプレゼンするための収支計画や事業計画をつくるときは「最低でもこの水準は見込める」といった数字をもとに、保守的に資料をつくるんです。突っ込まれないように完成させます。
でも、そっちに偏るとリスクを恐れたり、重箱の隅をつつくような態度になってしまいがちなのですが、私はどんなときも経営者さんのやりたいことに対して、「いいですね!やりましょう!」というスタンスでいます。
私の言うことも、ぜんぜん否定しなかったもんね。
お金のことを相談するとき、ダメ前提で話をされることも多いから、結構心折れちゃうんです。私の構想自体が否定されるというか。「そもそもあなたのやろうとしていることは、世の中に必要がないから、やらなくてもいいことでしょう」って言われているような気になっちゃって。
でも、かんちゃんは一切否定がなかったんです。だから、なんでも話せるのがうれしかったです。
それは、友美さんだったから否定しなかったってことですか・・・?
いえ、誰のことも否定しません!
え〜!すごいなぁ〜
私だったら、「この人ダメやな」って思ったら、フェードアウトしたくなります(笑)
「否定しない」というのは、コミュニケーションの問題だと思っています。
「ここにリスクがある」ということは、言い方によっては否定になるんですよ。ゴールを目指したときに、ハードルって絶対出てくると思うんですよね。なので、「これからこんなハードルが出てくると思います。そのハードルを乗り越えるためのやり方を考えましょうか」っていう言い方をしています。
否定じゃない捉え方で、前向きに計画していくんです。
そのハードルを示したときに、「あ、これは無理そう」って思ったときは言いますか?
何を大切にしているかって、お客さまによって全然違いますよね。
たとえば、売上をできるだけ多く上げたいという人もいれば、週2日しか働きたくないから売上が最低限でもいいっていう人もいて。
「売上は上げた方がいい」っていう思い込みがあれば、「週2日って、ぜんぜん売上上がらないからもっと働いた方がいいですよ」って言っちゃうかもしれないですが、私はまず「2日しか働きたくない理由」を聞いていきます。
理由が「それ以外の時間を研究につかったり、仕込みをしたり、インプットの時間に充てたい」だったとしたら、「売上に関してはここまでは最低限頑張りたい」というラインを設定して、そのために何をするかを洗い出します。
そこまで提案したらあとは、「一回やってみましょう!どうなるか見てみましょう」って応援するんです。「資金計画の調整は、こちらでするので」というスタンスです。
もちろんあまりにも無謀な挑戦は止めますけど。そんな方はほとんどいらっしゃいません。
すごいなぁ〜
経営者の夢を否定せずに、応援する・・・。
こんな人が側に居てくれたらどんなに心強いだろう。
私よりも、みなさんの方が人生経験ありますからね。
みなさん、こんな若輩者が否定するような次元にいらっしゃらないんです。
私よりも広い視野でいろんなことを見てきて、何年も自分の仕事に向き合ってきていて、その上で「やりたい」と思っていることなので、私が否定するべきものではないと思うんです。
無謀と思われていることでも、やった結果、「自分の糧になった」って思っている人がほとんどですし、失敗を人のせいにするような人を私はサポートすることはないので。
いいお客さんに恵まれているんですね。
それとも、入り口のところでお客さんを見極めているのかな?
うーん・・・なんだか、素敵な人ばっかりをご紹介していただけるんですよ。
友美さんもそうです。友美さんをご紹介してくださった方も、私はすごく好きな人なので。嫌な人を紹介されるという流れが、ほぼないんですよね。
「なんか暇そうだから仕事くれてやる」的なスタンスの方も、ごく稀にいらっしゃいますけど、そういう時は「ちょっと厳しいですね〜・・・」と遠ざけます。
さすが!
かわすテクニックもちゃんと持っているんだね〜。
相性はあると思います。
たとえば、行動力があって何を言われてもへこたれない方だったら、アドバイスをバシっとしてくれる人との方が相性がいいかもしれません。
私は、私と相性がよいお客さまと一緒に歩んでいけたらなぁと思うんです。
経営者の人生戦略家
アドレスホッパーとしてのかんちゃんと、コミュニティマネージャーとしてのかんちゃん 、今回聞かせてもらっている経営者の右腕的なポジションのかんちゃん・・・全然違うキャラな気がする。
切り替えしてるのかな?
なんか、モードチェンジしている気がするよ。
今回、いつにも増してキレッキレ(笑)!
この仕事が一番頭使うし、なにより楽しいんです。最初からやりたかったことですしね!
なかには、めっちゃやりたいことがあるのに「10年後にやろう」みたいな人もいるじゃないですか。「なんで今やらんの?」って思っちゃうんですよね。
でも私が出会ってきた経営者さんって、今やりたいことが見つかったら「どうやったら取り組めるか」って考えている人しかいないんですよね。そういう方と話していると、むちゃくちゃ刺激的ですし、楽しいんです。
かんちゃんって、「アドバイスしない」イメージがあります。
自分で決めて動ける人には、アドバイスなんていらないんですよね。
頼んでないのに、勝手にアドバイスしてくる人もたまにいますが・・・(笑)
人間の本質的に、「無意識にアドバイスしちゃう」とか「自分の考えを言っちゃう」ってあると思うんです。私は「アドバイスしない」って最初から意識しているから、アドバイスせずにいられるのかもしれません。
私は、コーチングを意識してコミュニケーションの中に取り入れています。「情報提供」はいいんですけど、情報提供した中で「こうした方がいいですよ」っていうのは私の思惑になっちゃう。
その選択肢を知った上で、どれを選ぶかはお客さまに委ねるべきだと思うんです。「個人的にはこういう風に捉えています」とかは伝えますけどね。
すごいなぁ〜、線引きがきちんとできている。
銀行へのプレゼンが成功したほかは、どんなことをしていたのですか?
当時は、アトリエ移転の話に加えて、黒麹をつくって販売することと、オンラインレッスンなどを同時進行でやっていたので、収集つかなくなってきちゃって。そこを冷静に客観的に見てくださって、これからどうしていくかの壁打ちをしてもらっていました。
ふむふむ。
壁打ちってどんな感じ?
友美さんの今の状態と同時に、理想の状態、理想の過ごし方をお尋ねしていきました。
DOというよりはBEという、「やりたいこと」というより「在りたい姿」というのが大事なんだろうなというイメージがあって。
「瀬戸内の穏やかな海のある場所で、黒麹が発酵できる場所をつくりたい」っていうのもそうですし。今の状態と未来の理想の姿の、どこがどう違うかを掘り出して行ったら、やるべきことが次々見えてくる感じでした。
最初にやったのは、「友美さんは、毎日何をしているんですか?」って、具体的に今の生活をヒアリングしていくことです。
かんちゃんに聞かれて、2週間分ぐらいの行動を振り返ってみました。
「6時に起きて瞑想して、お昼はオンラインサロンの発信のために撮影しながらご飯つくって、さっとご飯食べて、睡眠中も麹のお世話で起きて・・・」とか。
こうやって、暮らしのこと聞いてもらうと、事業の目的が「お金」じゃなくなるから。売上を何倍にするとかそういうようなことももちろん必要なんだけど、「それは何のためにしているのか」「お客様に何を伝えたくてやっているのか」みたいなことを、どんどん自分の中に落とし込んでくれる感じでした。
理想の姿があるのなら、そのために自分はどう在るべきか。
仕事ばっかりして、売上をつくることが目的ではないから。
働き方も考えることができました。
「夜ごはん食べたあと何してるんですか?」って聞いたら
友美さんから「麹の勉強のためにYouTubeとか見たり、いろんな人の記事みたりしてます」っていう答えが返ってきて、え〜〜〜!ってなったんです。
ぜんぜん休んでないっ!って。
あの頃の2年間ぐらいは、かなりヤバかったですね(笑)
もちろんそれをしていないと、今はないんだけど。
かんちゃんのヒアリングでその現状を見つめることができて、来年にはどこを目指してやっていくかっていうことを決められたんです。
決めてからは、もう早くて。
拠点を移してからは人らしい生活ができています(笑)
へぇ〜すごいっ!!!
具体的に言うと、「週の半分ぐらいは県外に行って、インプットする」のが理想だったんです。一日の過ごし方も、インプットばかりじゃなくてのんびりする時間とかも入れたいなって。
以前は「このぐらいの生産で、このぐらいの生徒さんを持ちたい」という「数を増やす」視点しかなかったんですけど、だんだん「自分にどのぐらいの利益があれば、どのぐらいの時間的な余裕がつくれるか」がわかるようになってきたんです。
今、まさに理想通りの暮らし、働き方が叶っています。
「何に何時間かけているか」を、友美さんとスタッフさん、それぞれ書き出してもらうこともしました。
そうすることで「この作業は友美さんしかできないけど、これは他の人でもできますよね?」みたいなのが見えてきたんです。
人が必要な部分は、私から紹介したりもしました。
そうそう。紹介いただいた方もすっごい優秀で!!今、めちゃくちゃ助かってます。
「この仕事が、ほかの人にお願いできる」なんて、自分ではなかなか気がつけないんですよね。どこかで「自分でやりたい」という気持ちもあるし、「それを手放すと自分がどうなるか」ってところまで想像がいかないんですよね。
「結局自分がやっちゃう」ってことが多いんだけど、先のことを考えると「友美さんじゃない人に頼める仕事もありますよね?」という問いを立ててもらったおかげで、可能性が開けたんです。
やっぱり理想をイメージすることが、大事なんですよね。
売上を上げるために機械を入れる話が出ていたので、そのための補助金情報も提供しました。
補助がおりた事業に関しては、実際にお金がおりるまでの作業を一緒にさせてもらいました。補助金関係はうちのパートナーさんで達人がいるので、資料づくりをお願いしたりしながら。
「お金のことは、かんちゃんに聞けばいい」っていう安心感は、ありがたかったです。意外とこういう相談できる人っていないじゃないですか。
自分の全てをさらけ出して相談できる人ってそうそういないから。
かんちゃんの仕事の仕方としては、困っている人がいたら内容に合わせて期間を決めて伴走するスタイルですか?
お客様に合わせてプランしてる?
そうです。
でもこれからは少しやり方を変えようと思っていて。期間を決めたご支援だけじゃなくて、定期的に毎月面談をするような形で「新しいことをやるための土台をつくっていく」サポートもできたらと思っています。
いつでも頼ってもらえるスタイルにしたいな〜と。
かんちゃんに関わってもらって、一番ありがたかったのが「いつでも相談できること」だったんです。
つくってくれた資料にも、もちろん価値があるんだけど。
想定外のことが起こってパニックになってしまったとき、夜にかんちゃんに電話しちゃったんだけど・・・。あの時も話を聞いてくれて、本当に嬉しかった!
あのとき、「あぁ、私はこの安心感にお金を払ってるんだ」って感じたんです。
わ〜!それは頼もしいですね。
でも、いろんな人から相談がきたら大変じゃない?
自分のキャパオーバーにならないように調整はしているのかな?
私、キャパは無限にしておきたいタイプなんです!
だって、目の前に困っているお客さまがいたら助けたいじゃないですか。
だから、いつでも動けるようにまどんなクリエイトは8名体制の組織でやっているんです。
すごい・・・!
8名体制なんだね。
私なんて、キャパオーバーにならないように、いつも断ってばっかりなのに(笑)
あ〜かんちゃんお見事すぎる!
かんちゃん、ウルトラすぎる!
こりゃ〜お見それしました!!!
年齢で測ってはいけないのかもしれないけれど、かんちゃんの年齢でこの考え方とスキル・・・なかなかいません。
改めてかんちゃんのウルトラさに気づかされる取材でした。
毎回、かんちゃんの取材は学びがいっぱいです。
さてさて、次回はとうとう最終回。
かんちゃんのマニアックすぎる「お金」の考え方について迫ります!
写真:水本誠時
まどんなクリエイト