第一話:アドレスホッピングという生き方

今月から、ウルトラかんちゃんこと、まどんなクリエイト代表・武市栞奈ちゃんについて連載をはじめます!

かんちゃんに出会ったのは、とある愛媛県の事業でのzoomミーティングでした。ずっとニコニコしているけれど、画面越しからプンプン香る仕事できる人感!!!「可愛くて、若くて、仕事できそう!今時の子って感じ♡」そんな印象を持っていました。

かんちゃんの清楚なイメージ(?)が覆されるのは、その数ヶ月後。

私のオンラインサロン 「天才サロン」に入会してくれた、かんちゃん。オフ会に参加してくれて、少しおしゃべりする機会があったのですが・・・なんだか言動がおかしい(笑)

経営者の相談に乗る仕事をしているんですけど、最近はハーブティー屋さんもしてるんです。

一応、家は愛媛県にあるんですけど
いろんな県に住む場所があって、アドレスホッピング(定住せずに、転々と移動する生活スタイル)してるんです。

「推し」がいるんですけど、私も推されてます。声の配信してるので。

などなど、聞きなれない言葉や、知らない価値観がバンバン出てくるかんちゃん。

実はかんちゃんって、とんでもない変態かもしれない!!!!!(変態大好物な私)

というわけで、かんちゃんについて色々根掘り葉掘り聞いちゃう連載をスタートすることにしたのです。

かんちゃんの生き方には、令和を生き抜く知恵がたくさん含まれています♪

ぜひぜひお楽しみいただけるとうれしいです。

第一回目の今回は、かんちゃんのプロフィールを紹介しつつ、アドレスホッピングについて深堀りします♪

銀行員時代に培ったもの

かんちゃんって、今は独立しているけど元々は銀行にいたんだよね?なぜ銀行を志望したの?

私の就活の軸は2つ。

1つ目は経営者としゃべれる仕事、2つ目は海外に関わる仕事だったんです。この2つが叶えられるのは金融系か人材系かなぁと思って。

でも、海外に関わろうとすると、大体は総合職配属になって、転勤があるんですよね。知らない土地に飛ばされるのは嫌だな〜 って思っていました。

あと、海外に関わろうとしたら帰国子女だとか、TOEIC800点以上が当たり前とか・・・そういう世界になるので。ライバル多いの嫌だなぁって。

だから総合職でも、転勤する場所がある程度決まっていて、グローバル人材を求めている地方銀行を狙って就職したんです。

地方銀行に就職する人っておそらく地方に残りたい人が多いだろうから、海外行きたい人って少ないんじゃないかな?ライバル少ないところがいい!って思って、志望しました。

かんちゃん、意外と省エネなんだね・・・(笑)
てっきり、ライバルが多い方が燃えるタイプかと思ってた。

無駄な戦いはしないんです。競争好きじゃないです。

そうなの!?私からすると、デキる人たちは競争を勝ち抜いてきた人たちっていうイメージだったから、意外・・・!

で、銀行に入って最初はどうだったのかな?

最初は、自宅から自転車で5分ぐらいの支店で、窓口と営業で2年半働きました。つらいことが結構多くて。

もともと、海外勤務があるということで選んだ銀行だったんですけど、その部署へ異動できる条件が28歳以上だったんです。23歳の時点で疲れてしまっていたから、あと5年も待つのはしんどいな〜って思っちゃって。

だから、とにかく会社以外のルートで留学しようと決めて、ECCの英語の先生の資格を取ったんです。次のステップに、オーストラリア留学して、小学校英語教諭の資格を取るという選択肢があったから、上司に「留学するために辞めます」って伝えたんです。

そしたら、「それは、ええな。お前にはそっちの方が合っとるんちゃうか?」みたいに言ってくれて。

「オーストラリアに行くのはわかった。でも、このまま残って、海外勤務を目指すことはできんのか。たとえば、「TOEICをとってるから海外の仕事をしたい」という人はいっぱいおるけど、海外の仕事をしたいから、社会人で銀行員やりながら自分で勉強してTOEICとりましたっていう人は全然おらん。それを達成したら評価されるかもしれんぞ。800ぐらい取れんのか?」って(笑)。

その時、TOEIC600ぐらいだったので、
「200上げてきます!!!」って言って、その次の月に825取ったんです。

えええええええ!!!!!
すごすぎる!!!!

で、どうだった!?海外行けたの?

きっと裏でいろいろ動いてくださったんだと思います。次の4月から人事制度が変わって、24歳からグローバルに応募できるようになったんです。

それに応募して、推薦状も書いてもらって、面接を受けたんですけど。面接で号泣してしまいました。

ずっとずっとグローバルに行きたくて、転勤希望に書き続けたり、人事部との面談のときにも伝え続けていたから感極まっちゃって。

偶然にも面接担当が就活の面接担当の方で、「就活のときからずっと変わらないね」って言ってくれて。採用となりました。

1年半、シンガポールやベトナムに行ったり、東京に住んだり。いろんな部署をまわる経験をしました。1年半で5回も引越ししました。

引越し5回!!!
それはめっちゃハードだ!

確かにハードでしたけど、とても楽しかったです。憧れをどんどん体験できた感じでした。

日本の経済規模って、世界で比べるととっても小さいんです。世界の経済の動きを勉強して実践する期間でした。

尊敬できる先輩方と働けることは、とっても幸せでした!

その後は、どうしたの?

地方支店に異動になりました。そのときに、ふと「このままサラリーマンとしてやっていくのかな?もしかしたら他に違う道があるのかもしれない」という気持ちが芽生えたんです。

海外に関わる仕事をやっていくためには、専門スキルを磨いて、本部に入らないといけない。でも、本当は自分に向いているのって、第一線でお客様と直接関わる仕事なんじゃないかな?そう思い始めたんです。

銀行が自分の成長のためにたくさん学びの場を提供してくれていたので、「その分銀行に恩返ししなきゃ」という気持ちも強く、長い間葛藤していたのですが・・・ありがたいことに、上司達も私の気持ちを理解してくれて、退職することになりました。

↑みんなの愛の印・・・泣ける(涙)!

次のことは考えてたの?

私には、将来的にオーストラリアのパースに住みたいという夢があったので、「海外で生きていく手に職ってなんだ?」→「プログラミングだ!」と思いついて、独学でプログラミングの勉強をしていました。

ニートになる!人生を変えた1冊の本

で・・!銀行勤めを辞めて、フリーランスになったんだったよね?なぜフリーになろうと思ったの?

実は、フリーランスになろうと思ったのではなく、ニートになろうと思ったんです。

え!?ニート!!?
なぜにニート・・・!?

LIFE SHIFTっていう本を読んだのがきっかけです。「人生100年時代をどう生きるか」について書かれた本なんですけどね。今は、2007年生まれの子ども(現在中学3年ぐらいの子ども)の2人に1人は100歳まで生きると言われる時代だと言われていますよね。65歳で定年を迎えたとしたらあと35年、どうやって生きるんだろう? そう自分に問いかけてみたんです。

おそらくこれから定年という概念もなくなっていくだろうし、年金で生活できるとも思わない。自分が65歳になったときは、きっと何かしらでゆるく働きながら生きていくんだろうなって思ったんです。今までは定年後は「セカンドライフ」と言われていて、人生のなかでゆっくり休む時間・・・というイメージでしたが、これからはそれがなくなる。じゃあ、私たち世代って人生のうち、遊ぶ期間がなく終わっちゃうんじゃないかな?!と思い始めたんです。

私は27歳で会社を辞めたんですけど、独身だし、親も元気だし、旅行が好きだし、どうせ一生働くのなら、「今のうちにたくさん親と旅行に行きたい!」っていう気持ちが芽生えて。

転職は、がんばればすぐにできる。
でも、ニートするなら今しかない!って直感で思って。

ニートも一生する予定はなく、「2年ぐらいやったら多分飽きるだろうな〜」という読みがありました。ニートに飽きたら就職もありかもな〜。でも、縛られずにゆるく働くスタイルで暮らしたいから、パースで暮らしたいな〜。

失業保険もあるし、とにかく半年間は働かずに遊んでみようって思ったんです。

ひょえ〜!大胆!!!
でも、たしかに、広い目で見ると
遊べるのって今のうちだもんね。納得。

でも、結局そうはいかなかったんですよね・・・。

退職が決まって、お世話になった企業さんに挨拶まわりしていたら「次何するの?」って聞かれるじゃないですか。

「UberEATSで日銭を稼ぎながら、ニートします!」って答えてたら

「ニート!?それやったら、うちの会社で働いてほしいんやけど」って言ってくださる会社さんが出てきて。覚えているだけで、5社ぐらいあったかな。

話を聞いてみると、「就職する」というより部分的に手伝って欲しいニュアンスだったので、業務委託としていろんな仕事を受けてみることにしたんです。

5社も!?
すごい!
どんな仕事をしていたの?

見積書とか請求書の管理、会社のウェブサイトの保守運営、オンラインショップの売上を拡大するためのお手伝い、インスタグラムの運営とか。

自分の持っている知識と、求められることを掛け合わせてお仕事をしていました。

場所を変えながら働く意味

会社員からフリーランスになって、そこからアドレスホッピングしはじめたのはいつ頃から?

業務委託の仕事は全部オンラインでしていたので、ずっと実家にいたんです。

すると、親が「この子、ずっと家にいるけど大丈夫?」って心配するかな〜って思い始めて。家以外の場所を探すことにしたんです。
そこで出会ったのが、コワーキングスペースのマツヤマンスペース でした。そこからマツヤマンスペースと自宅を行ったり来たりする日々を経て、

2022年の5月からアドレスホッピングをはじめました。コロナもだいぶ落ち着いてきたタイミングでしたね。

元々、出かけるのが好きな感じだったのかな?

いえ、旅行は好きだけど基本的に出不精です。基本的に滞在先でUberEATSとったり、レトルトカレー食べたりしてました。出るのが面倒くさくなっちゃうんですよね。

今、確かにいろんな場所を転々としていますけど、観光している感じはないです。

普通に仕事して暮らしている感じです。

その場所でしか会えない人に会うのが目的。しかも、その人と一緒に何かをするんじゃなくって、普通に会って話すだけ。近況報告しあうだけなんです。

え・・・そうなんだ!
てっきり、各地に仕事があるのかと思ってた!

仕事の内容は、愛媛にいても、県外にいても一緒です。同じクライアントさんと、オンラインでやりとりしているだけですね。

じゃあ、なんで県外に行くの?

その土地に呼ばれている・・・からですかね(笑)。

「この日、山形行くんだけど、かんちゃんくる?」とか
「浜松で餃子食べよ〜」とか声かけてもらうことが多いんですけど、
会いたい人がいるから、
見たいものがあるから行くって感じです。

↑こんな感じで、呼ばれたら動いて、楽しんでます。

え・・・山形!?浜松!?
まるで、市内での用事のような軽さで誘ってくるなぁ〜!!!

それは、かんちゃんだから誘いやすいのかな?

それはあると思います。

今月も旭川行って、3日後には「真鶴」っていう神奈川の辺境へ行って。そこから東京へ移動して、京都にも立ち寄るつもりです。

ちなみに、3月末から6月頭までのスケジュールはこんな感じです。

3/25~4/4 東京
4/5~4/13 愛媛
4/14~4/16 広島・鞆の浦、上島町
4/17~4/23 愛媛
4/24~5/1 大分・別府
5/2~5/21 愛媛
5/22~5/26北海道・上川町、紋別市
5/26~27神奈川・小田原、真鶴
5/28~6/3東京
6/4~6/8京都・大阪

え〜〜〜!
聞くだけで疲れそうなスケジュールだけど、疲れないの?

疲れないですね。むしろ転々としている方が元気な気がします。同じ場所にいる方がむしろ疲れるかも。リフレッシュしたいのかもしれないです。

私も旅は好きだけど、そんなに頻繁だと飛行機の手配とかしんどくなりそう。

私、予約とかスケジューリングするのが好きなんですよ。友達と旅行するときも、飛行機とかホテルとか取って、予定組み立てるのは私の役目です。

私には行きたいところがないので、友達に行きたいところをリストアップしてもらって、それをGoogleマップに落とし込んで、シミュレーションして、ホテルを決めたりします。

ホテルとるときは、クチコミも隅々まで見ますね。絶対嫌な想いしたくないから。

え〜〜〜!信じられない!

みんな、この手配系を嫌がると思うんだけど・・・。

そうなんですね。
私は、手配が一番楽しいです。
私には行きたい場所とかの希望はないから。誰かが行きたい場所に一緒に行けたらいい。

友達と行くなら、友達が楽しそうやったら楽しい。自分が知っているものだけじゃなくて、友達から知れることがあるのが楽しいから。

移動時間もなかなか多そうだけど、その間は何をしているの?

私の仕事って、ほとんどがスマホでチャット返すことなんですよ。だから移動中はずっとやってます。

そっかぁ〜
じゃあ、移動時間も無駄にならないんだ。

このアドレスホッピングする生き方って、どう?やっぱり楽しい?みんなに勧めたい?

うーん・・・・。
私にとっては移動する毎日が普通すぎて、特別だとは思っていないんです。

動き始めて、気がついたらほぼほぼ県外にいたって感じです。

住まいはどうしてるの?

ADDressっていうシェアハウスのサブスクを契約しています。全国250ヶ所以上に拠点があって、月額で光熱費やWi-Fi込みのお家を使うことができるんです。

↑こんなところに泊まってます!

ひ〜〜〜!!!!そんなサブスクがあるの知らなかった!!!

実は、銀行員の頃から旅しながら暮らしたいという気持ちがあって、このサービスのことはずっと追っていました。

場所も時間も、何も縛られない暮らしがしたかったんです。

あと、人に言われて気づいたんですけど私が移動するのは「仕入れみたいなもの」なんだと思います。

情報もそうだし、人との繋がりもだし。自分の気づきもインプットしてますね。

最近の気づきは、どんな感じですか?

自分の生き方について気づくことがありました。

旅先で、「かんちゃんの生き方は、ワーキッシュアクトだね」って言ってくれた人がいて。

ワーキッシュアクトというのは、仕事以外で何らかの報酬を得るために誰かの労働へのニーズを担う性質がある活動のこと。

リクルートが2040年の働き方・生き方の未来予測本で提言しているらしいんですけど、社会のために、人のためにっていう風に生きていないけれど、気づいたら誰かの役に立ってたっていう。そういう生き方をしてるね、って言ってもらって。

愛媛に住んでいるだけだったら、その人に会うことがなかったら、この言葉は出てこなかったかもしれない。

なるほど・・・。
拠点をたくさん持つと、おもしろい思考を持っている人たちとの交流がある。
そこで得られる気づきがたくさんある
ってことだね!!!

そうです。場所で選んでいるというより、人で選んでるんですよね。

去年は3回ぐらい北海道行ってるんですけど、そこには特定の会いたい人がいたからなんです。

北海道に3回も!!!
私だったら、この前北海道行ったし、今回はやめとくか・・・ってなるけど、そうならないの?お金も不安じゃない?

お金を理由に何かを諦めたくないっていう気持ちが強いんです。

モノ買うときも値段見ないですし。
お金のこと考えずに、先に予約しちゃいます。

だけど、お金のケチケチ度は高いと思います(笑)

カードとか、何を使ったら一番お得なのか・・・そこを考えている時間は人より長いと思いますよ。

「損しないこと」と「増やすこと」は、常に考えています。

その分、決断のときには考えない。使うときはどんぶり勘定ですよ(笑)

使ったお金がいくらかは、もう気にしていないです。

お金に不安がないってことなのかな。

たまに「やばっ!」ってことはありますよ。そういうときは、株を解約したりしてます。株あるから、死なない(笑)。

あと、私はそんなにお金つかってないと思います。旅にもお金かけてないです

移動費も、高くて東京往復2万円ぐらい。交通費を安くするテクニックはいっぱいあって、クレジットカードをちゃんと使えば飛行機代はかけなくて済む。

宿泊はADDressで、計算するとおそらく1泊3700円ぐらい。

そっかぁぁぁぁ!やっぱり賢いやり方知ってるね。

私は、何も考えずに旅を組むから。飛行機代もホテルも定価で取ってるわ(笑)。

使っているお金がそんなに多くないから、東京で家賃10万円払っている人の方がお金使っていると思いますよ。

これからもこんな感じで生きていくの?

うーん・・・わからないです。

あまりにも今の生活が、私にとっては「普通」なので。人によって、行動範囲って違うじゃないですか。愛媛にいたとしても、「宇和島まで行くのはなんてことないよ〜」という人と、「松山市外になると遠い!」って思う人がいる。

私は行動範囲が、「日本」だったってだけです。

なるほど・・・これからは行動範囲が、日本から世界になるかもね。

去年もベトナム行きましたし、今年も行きました。
世界を旅するスタイルはあり得ると思ってます。

でも、実は1日の移動が2時間以上になるのはしんどいかもしれません。東京往復はいけるけど、広島へ車で往復するのはしんどいんです。体力ないんで・・・(笑)!

疲れるところにはそんなに頻繁に行かないですね。 

そこは省エネです。

↑お母さんとベトナムへ。

え・・・・そこは省エネ!?
やっぱり、わたし、かんちゃんがわからない・・・(笑)
興味深いわぁ〜・・・。

今回のテーマは、「アドレスホッピング」だったので、移動に関する質問をたくさんぶつけてみましたが、まだまだ掘りたいテーマが盛りだくさん!

次は、「コミュニティマネージャー」としての一面を掘り下げていきます♪

お楽しみにっ。

写真:水本誠時

取材協力:マツヤマンスペース

まどんなクリエイト

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