![](https://i0.wp.com/sekakuri.com/wp/wp-content/uploads/名称未設定アートワーク-14.jpg?fit=660%2C347&ssl=1)
アトリエIGANDA・三野計先生をご存知でしょうか?
私の友人アーティストも何名か三野先生の元で学んでいたようで、
毎年開催されている「IGANDA OB展」で展示をしていたりもして、
三野先生のお名前はよく存じ上げておりました。
何を隠そう、このせいかつクリエイトのパートナー・石川智子もアトリエIGANDAの卒業生。
智子さんをはじめ、みなさん活躍されている人ばかりなので、先生の腕がよいのだろうな〜と思っていました。
ただ・・・もう一つの噂も聞いておりました。
それは・・・
「めちゃくちゃ厳しい」
ということです。
今回のせかクリでは、そんな真相を確かめるべく、10/2からスタートする三野先生の個展「ミノのビーナス展」のご紹介も兼ねて
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/pic_main_05.png)
三野先生の魅力について迫ってみようと思います。
ありえない数の愚人。一体何のために!?
アトリエイガンダは、西一万町。
ロープウェイ街の近くにあります。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_40.jpg)
イガンダOB生である石川智子姉さんに連れられて
トントントン・・・お邪魔しま〜す♪
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_18.jpg)
中は、「THE アトリエ!」という感じで、とても素敵です。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_10.jpg)
おぉ、トモリン、いらっしゃい。
お邪魔しまーす。
はじめまして!
大木です!
なんだか、思ったより優しそう♪
智子さん、「トモリン」なんだ(笑)
そう安堵して、先生の目の前に置いてあるクリアケースに目を向けると・・・
何やらうじゃうじゃ紙のようなものが入ってる。
そして、謎にたくさんのボールペン。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_23.jpg)
先生、この赤いやつ何ですか?
これが、「愚人」よ〜。
後ろには、ポーズの切りカスがありますよ。
振り返ってみて〜。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_15-1.jpg)
な・・・・なんじゃこりゃ〜〜〜!!!
![](https://i0.wp.com/sekakuri.com/wp/wp-content/uploads/mino_19.jpg?fit=660%2C881&ssl=1)
もしかしてこれもですか??
これ、一体何体いるんです??
今のところ、「右往左往」のポーズが1万4000体ぐらい。
切りカスがざっと100万体ぐらいかな。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_1.jpg)
まさか、これ全部切り抜いてるんですか !?
そうよ〜。
紙の上にこの台紙を置いてね〜。
カッターで一体ずつ切り抜いてね〜。
え(爆笑)!?
ちょっと、正気の沙汰とは思えないのですが・・・。
切り抜いた愚人はどうするんですか?
愚人はこうやって、作品にするねぇ。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_24.jpg)
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_27.jpg)
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_38.jpg)
よく見たら、
このアトリエ、愚人だらけですね・・・(汗)
すごーーーーーー!!!!
なぜこんなにたくさんの愚人を作っているんですか?
他にすることがないからよ。
ご冗談を・・・(笑)
いや、本当のことよ。
中途半端な時間、隙間な時間にひたすらつくってるんよ。
まぁ、病院入院中が一番進んだかねー。
そう、三野先生は2年前に脳梗塞で倒れ、入院をされていたのです。
入院される前から、三野先生は活動中止状態。
個展も行わず、10年間沈黙を貫きました。
それは病気のせいかと思われていたのですが、実は東日本大震災がきっかけだったのです。
個展に出品しようとした作品、「かけあがる」が完成した1週間後、東日本大震災が起こってね。
その作品が、震災の悲惨な情景と重なって見えたわけよ。
「自分はこんな作品を作ってていいんやろうか・・・」と悩んで悩んで・・・。
だんだん制作意欲も失って。
それからしばらくは、ただひたすら写経をするように、祈るように「愚人」を描いたねぇ。
なるほど、愚人をひたすらつくることは
三野先生にとって、「祈り」の作業なのですね。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_4.jpg)
そう。
愚人は「祈り」の形だったんです。
ひたすら愚人をつくって、
作品をチャリティーオークションに出品した。
過去の作品もたくさん。
それが95万円ぐらいになって、直接被災地へ寄付を届けることができて。
そこでようやく吹っ切れることができたんです。
そこからの、今回の個展なんですね。
ちなみに「愚人」ってそもそも何なのですか?
愚人は、愚かな日本人の姿です。
インドを旅した時、貧しくてもそこであたたかく暮らしている人たちの姿に出会って
昔の田舎の風景、今日本人が失ってしまっている、本当の意味での生きる歓びを感じたんです。
失われていくものに対する危機感から、メッセージとして愚人をつくっているんです。
深っ!!!!
一体一体手で描いて、切り抜く作業は
今の時代から完全に逆行しているけれど、あえてアナログ。
徹底アナログよ。
そこには、今の便利な時代への挑戦の気持ちも込められている。便利でも、発展性がないものもあるからね。
三野先生、スパルタ説は本当なのか!?
アトリエ・IGANDAは、美大に行きたい学生のための学校でした。
破門されたとか、されなかったとか・・・そんな話も聞きます。
果たして、三野先生は本当に鬼のような指導をされていたのでしょうか。
敢えて、直球でお聞きしますが、
三野先生はスパルタなんですか(笑)?
アトリエには・・・ムチがあったねぇ。
ひっ!!!!
ムチですか・・・。
先生、今はずいぶん丸くなっているんだけどね。
相当厳しい先生で有名だったのよ〜。
たくさんの人を破門にしたからねぇ〜。
いつかここを放火する奴も出てくるかもとは覚悟してたね。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_16.jpg)
マジっすか・・・。
ちなみに、ムチって・・・どんな時に使ってたんですか。
気持ちがたるんでる奴、
心構えができていない奴には容赦無く鞭をふるったね。
特に時間を守れない奴はイカン。
時間に遅れてきたやつは表に並べて、お尻を出させて
鞭で叩いた。
たまには鞭が折れることもあったねぇ(笑)
(ヤベェ、全然笑えねぇ・・・)
絵のことじゃなくて、気持ちの部分でカツを入れてたわけですね。
でも、智子さんのことは「トモリン」なんですね?
なんか、ゆるいのか厳しいのか・・・わけわかりません。
そうねー。
やるときと気をぬくときのメリハリはつけてたかな。
トモリンの同期は
メモりん、ペラどん、ワラミー、ねばごん
みーんなあだ名つけてあげとったな〜。
トモリンは、今はトモリンだけど
ペラペラしゃべるから当時は「ペラどん」だったわけよ。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_32.jpg)
なるほど。
緩急の差が、ありえないほど大きいですね(汗)
でも、今の智子さんや、私のイガンダOBのお友達の活躍を見ると、先生の指導は素晴らしかったんでしょうね。
実際どんな指導をされたのですか?
「やって見せる」に限るね。
ひたすら、制作する後ろ姿を見せること。
時間があればいつも制作する。
それだけかな。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_31.jpg)
先生は、日々どんな風に制作してるんですか?
タイムスケジュールを教えてください。
まず朝は5時半に起きる。
それからずっと寝る寸前まで制作しよるね。
昼間、時々喫茶店に行くこともあるけれど。
今は夜は12時前には寝るけれども、
作品作りに没頭しているときは、夜中の2時〜3時ぐらいまで。
例えば、この作品なんかは、ハンコで愚人をつくっているんだけど「夜中になると、隣からコトコト音がする」ってお隣さんから噂されたりもしたね。
パネルに13万体の愚人を押しているから、見ていて気分が悪くなる人もいてね。
そのときは、作品に疲れを見せてしまった・・・って反省したよ。
今は、うまい具合に気を抜きながら制作できていると思うよ。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_25.jpg)
先生が頑張っているから、私たちも頑張ろう!っていう気持ちになりますね。
で・・・今は、鞭はやってないんですか(笑)
竹刀はあるね〜。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/mino_33-767x1024.jpg)
ひえ〜〜!
竹刀はあるんかいっ!!!
10/2〜13は「ミノのビーナス展」へ!
そんな、お茶目でストイックで、最高にアーティスティックな三野計先生による個展が、愛媛県美術館で開催されます。
![](https://sekakuri.com/wp-content/uploads/pic_main_05.png)
「見る」だけではなく、体験できる展示会。
期間は2週間ですが、作品は変動し続ける面白い仕掛けがあります。
何度でも見に来てね!
なんと、3回来場すると展示作品を1つプレゼント!!!
おおお!!!
ほすぃ!!!!!
トモリンが愛を込めてつくったこちらのページもぜひ。
https://ti-c.net/artist/minokei/
三野先生の動画も観ることができます。
続きは、展示会場でっ♪
愚人だらけ!ミノのビーナス展
2019.10.02(水)〜10.13(日)
愛媛県美術館 新館2F 特別展示室3
入場無料 9:40〜18:00
※10/8(火)は休館日です