2022年10月29日-30日の2日間、オリンピックメダリスト・ワイナイナさんと一緒に走るランニング教室が開催されました!
1日目の10月29日は小学生の部。2日目は幼児と保護者の部と社会人の部。今回の記事は、小学生の部を取材させてもらって感じたことのレポートです。
エリック・ワイナイナ
ケニア出身。1993年に来日、札幌国際ハーフマラソンで2位、1994年の北海道マラソンで初マラソンに挑み、初優勝。1995年の東京国際マラソンでも優勝し、1996年アトランタオリンピック(マラソン)ケニア代表に選ばれる。同五輪では、見事に銅メダルを獲得。さらに2000年シドニーオリンピック(マラソン)では銀メダル、2004年アテレオリンピック(マラソン)では7位入賞と、五輪2大会連続でメダル・3大会連続で入賞した。
座右の銘は「Never give up」。ベストタイムは5000m 14分04秒34、1000m 28分40秒06、ハーフマラソン1時間2分27秒、フルマラソン2時間8分43秒。
“一流”と関わる機会を!
お天気にも恵まれ、気持ちよい秋晴れの中はじまった開会式。
最初に特別ゲストの原真礼さんからご挨拶がありました。原真礼さんは、東京を拠点に活動されている舞台俳優。2020年3月「坊っちゃん劇場」での出演(鬼のレクイエム)をきっかけで、東温市の観光大使や地域おこし協力隊も経験。
東温市に何か恩返しできることはないかと、今回この企画に関わったそうです。
私はお芝居を通じて、一流の人とトレーニングをする機会を得てきました。
東温市は穏やかで、人も優しくていいところです。
でも、都会と比べると一流の人と交わる機会は少ないかもしれません。
今日は、ワイナイナさんというすごい人と一緒に過ごすことで、みなさんにとってかけがえのない一日になったらいいなと思っています。
私は、この挨拶にしびれてしまいました。
確かにそうなんです。
田舎は、圧倒的に“本物”と交わる機会が少ない。目の前にないから、視野が広がらない。
今は、ネットで簡単に情報収集もできるし、オンライン上で会いたい人に会える時代です。
でも、やっぱりリアルは違う。
私自身、ワイナイナさんと一緒に過ごす時間を大切にしたいな
そう思ったのです。
ワイナイナさんは、とっても気さくな方でした。タイムキーパーさんがいないと、ずっとおしゃべりしてくれるぐらい(笑)子ども達に、できる限り、たくさんのことを伝えよう・・・そう思っていることが伝わってきました。
走るの好きだな〜と思ったら、走ってください。嫌だな〜って思ったら、休んでいいよ。
走ることはイメージです。イメージがないと上手く走れない。自分のペースで、自分が思う「カッコよさ」で走ってくださいね!
みんな、ケニアはどこにあるか知ってる?僕はケニアで生まれました。
ケニアでの生活は恵まれてなかったから、TVもなかったし、お水も家から5キロ離れているところに汲みにいかないといけなかった。学校は家から10キロ離れていて、学校にはお水がなかったから、毎日5リットルの水を持って行ってました。
よく川で遊んでいたけど、川の中にはカバがいました。わざとカバを怒らせて、逃げるって遊びをしてた。
みんなもケニアに来たら、一緒にカバと遊びましょう!!!!
イメージが大切
僕はサッカーが大好きで、憧れの選手がいました。今だったら、大迫選手が大好き。「大迫さんみたいになりたい!」っていうイメージが大切。
見逃さなければ、チャンスはたくさんあります。
今日から、その夢を追いかければ、間違いなくできます。
そんなお話を聞いてから、みんなでランニングをスタート。
始終にこにこしながら、走っている全員が楽しく走れるよう心を配りながら走っていたワイナイナさんと真礼さん。プロだなぁ・・・と感動しました。
そして、ここにもプロがもう一人・・・このランニングイベントの主催者である東温ランニングクラブ代表の新沢さんです。
教室の数日前に足を骨折してしまい、こんな姿になっておりますが(涙)。「楽しいから、走る」をコンセプトに、子どもたちに走る楽しさを伝えている方です!!!!
そんな新沢さんに、こんなことを聞いてみました。
私も最近ランニングをはじめたばかりなのですが・・・走っていてしんどい時は、どうしたらいいんですか!?
「あと何キロかなぁ」とか考えると疲れるから、何も考えずに走るのがいいんです。頭を使うことが一番エネルギー使いますから。今に集中して、無心に走るんです。
一人で走るとしんどいので、こうやって誰かと一緒に走るのはおすすめですね。
な・・・なるほど。やはり、深い。ランニング!!!!
自分の可能性を広げよう
それぞれ、約4.5キロを走り切った生徒さんたち!すばらしい走りでした。
集合写真のあとは、ワイナイナさんとツーショットの写真撮影会!サインタイムも行われました。
女優を目指している女の子から、真礼さんに質問タイム。どうやったら女優になれますか?という質問に。
女優になるには、実力だけじゃなくて「運」も必要だからね♪
とおっしゃっていたのが、印象的でした。
ワイナイナさんも、メダルを見せてくれながらこう言ってました。
メダルとるまでは、時間かかったよ。
実業団にいたときは、朝ご飯の前に10〜15キロ走って、シャワー浴びて、朝ご飯食べたらそのあと40キロ走って。夕方には、腕立てと腹筋を2時間して・・・。
きつかったよ。
でも、速くなるには頑張るしかない。
この中からもぜひ、オリンピック選手を目指してください!
なれるよ!!!!
ひぇぇぇ・・・半端ない。
「オリンピック選手になりたい」っていう気持ちがあっても、この辛さと天秤にかけたら、心が折れてしまいそう・・・。
ぼくは、最初はバスケットボールが好きだったんです。それからサッカー。その次に陸上に辿りつきました。
子どもの頃は、「これもやってみようかな」って、どんどんチャレンジしていって欲しいです。
いろんな世界を見て欲しいんです。
私は、ずっと陸上をしていたので、「当然そっちの道に行くだろうな」ってまわりから思われていました。
でも、私は陸上の道には進まなかったんです。
「これをやってるから、この道しかない」ってことはない。もっともっと世界は広い。視野を広げて、選択肢を広げてほしいんです。
先ほど真礼さんが言われてましたが、女優になるには「運」もあるんですよね。「もしかしたら、女優になれないかも」って思わなかったんですか?
そこは陸上と同じなんです。陸上って個人競技じゃないですか。
「やる」のも、「やらない」のも自由なんです。
だったら、「やろう」と思って!
さっき、ワイナイナさんが言ってたことと一緒ですね。
走るの嫌だな〜って思ったらやめればいい。
好きだな〜って思ったら走ればいい。
完全に自由。どうするかは、自分で決める。ただ、それだけなんだ・・・!
大切なことに気付かされる一日でした。
私は今年の夏から、ランニングをしていますが、続けるのも、辞めるのも自分次第。
無理に続けなくてもいいけれど、続けた先には新しい可能性が広がっているかもしれません。
このような素敵な企画をしてくださった、東温ランニングクラブの新沢さんをはじめ、スタッフのみなさま、ありがとうございました!!!
小学生のお子さんをお持ちの保護者のみなさま、東温ランニングクラブでは、週に3回「みんなで、たのしく、はしる」時間を設けています。
走ることはスポーツをされているお子さんはもちろん、集中力や、粘り強さにつながる、「きほん」を鍛えてくれます。
ぜひ、参加してみてくださいね。
東温ランニングクラブ