しあわせとは何か?〜映画「PERFECT DAYS」を観て感じたこと〜

2024年の目標は「表現力をつける」
できるだけ、本や映画を観てレビューをまとめていきたいなーと思っています。

そんなわけで、新年一発目の映画…!
PERFECT DAYS」を観に行ってきました。

この映画、観る人によって感想がパッキリ分かれるのかな…と感じています。

今の自分が浮き彫りになるような感覚です。

カッコつけず、私が感じたことをレビューしていこうと思います。

ルーティンを繰り返す日々、寂しくないの?

役所広司さん演じる平山は、東京渋谷の公衆トイレの清掃員。古いアパートで一人暮らし。

彼には規則正しいルーティンがあります。

【平日のルーティン】5:15に目を覚まし、歯を磨いて、ユニフォームに着替え、5:30には家を出る。自販機で缶コーヒーを買って、車を発進させる。決まった曲がり角で、カセットテープを入れて音楽を聴く。トイレを丁寧に掃除し、お昼にはコンビニで買ったサンドイッチを食べる。夕方にはアパートに戻り、近くの銭湯へ。いつもの地下の居酒屋で食事をして、寝落ちするまで本を読む。

【休日のルーティン】少しゆっくり寝て、コインランドリーで洗濯、古本屋さんで本を選ぶ、カメラ屋さんでフィルム現像、現像した写真の振り分け、部屋の掃除、平日に通っているとは別の居酒屋へ出かける。

私は、人のルーティンを知るのが好きです。
平山のルーティンはとても美しい…と思いました。

なぜ、そう感じるのか?
それは、時折見せる平山の表情がとても穏やかだから。

これが、嫌々やってる感じ、人生に絶望してる感じだったら…全く違う感じ方をするはず。

たとえば、平山のステータスだけを見ると何を想像するか…

☑︎古いアパートで一人住まい
☑︎50代半ばぐらい
☑︎独身
☑︎家族とは絶縁してる⁉︎
☑︎トイレ清掃員

私も柄本時生演じるタカシと同じことを想うかもしれない。

タカシ

平山さんって、結婚していないすよね?その歳でひとりで寂しくないんすか

ただ、そう思わせないのは、平山が時折見せる笑顔を観ているから。

平山は木漏れ日を見つけると、木漏れ日に向かって幸せそうに微笑むのです(きゅん♡)。

この表情を観て、「あぁ、この人は今、幸せなんだな」と感じつつ、「なぜなんだろう、答え合わせはあるかな?」と期待してぐっと映画の世界に入っていく。

しかし、期待を裏切り、平山のバックグラウンドに関しては多くが語られない。

この感じも、なんか、すごくよかった。
(そしてまんまとパンフレットを買った)

時には誰かと比べたい、私の方が幸せだって

今のSNSを見ていると、globeのこの歌詞だよなぁ〜って思うんです。

時には誰かと比べたい
私の方が幸せだって…!

globe「Can’t stop fallin’in love」

私は、SNSでもリアルでも「ドヤってる(ように見える)人」が苦手です。

過剰に反応してしまう。

先日、なぜ私はこんなに「ドヤ」に反応してしまうのかモヤモヤノートしてみました。

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感情は思考を通して出てきます。

思考は、自分の「設定」から生まれてくるものとすると…

何度も何度も私が「ドヤ」に反応するは、「ドヤ」に対して私に何か歪んだ設定があるはずなのです。

そこを丁寧に見ていくと

(なぜドヤについて気になるの?)
だって自慢されてる、バカにされてる、下に見られてる気がする!

(どう思う?)
ムカつく!
私の方が幸せなのに〜!
どれだけ稼いでるとかステータス見せつけやがって!
てか、こういうモヤモヤにエネルギー使うのムダすぎじゃね⁉︎
まんまと引っかかってる(笑)

(どうしたい?)
平山のように生きたいよ。


…となりました。

画像
その時のノート

時には誰かと比べたい
私の方が幸せだって…!

globe「Can’t stop fallin’in love」

↑これやってたの、私でした。

外側の評価なんてどうでもいいのに…。

私も、平山みたいに自分の幸せに集中したい!

自分の住む世界は自分でつくれる

平山のセリフで、特にずしんときたセリフがあります。

平山

この世界は、本当は沢山の世界がある。つながっているように見えても、つながっていない世界がある。

「誰と一緒の世界にいたいか」なんですよね。

平山の住む世界と、
平山の妹(ニコのお母さん)の住む世界は違う。

どっちがよいとか、わるいという話ではなくて。

自分で選べるという話…なのだと思う。

完璧な日々とは

PERFECT DAYSを観て、思い出した作品があります。

それは、「メタモルフォーゼの縁側」という漫画。

この漫画のラストの方に

「完璧な1日でした」

というセリフが出てくるのだけど、私はこのシーンでめちゃくちゃ泣いた…。

なんというか、誰かの「完璧」とは全く違う「完璧」が主人公のうららさんにはあったのだと思う。

それが伝わってきて、すごく泣けた。

本当は一人ひとりが完璧な存在。
一人ひとりに、必ず完璧な毎日が与えられている。

ただ、それに気づけるか気づけないか、だけなんだと思う。

一人ひとりが、自分にとっての「完璧」に気づけたらいいな。

私も、そんな人でいたいな。

そう思える映画でした。