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2020.3.5

実は松山にも!「子どもの貧困」と「虐待」から目を背けない


今日は、みえさんの職場である「松山市役所」へお邪魔しました。

何か手続きがないと訪れてはいけないような気がしている市役所ですが、実は市議会議員さんに相談がある時も、気軽に訪れることができるんですよ。

みえさんは、いつもこの席でご相談に訪れた方のお話を聞かれているそうです。

 

みえさんは、なぜ「子どもの貧困問題」にこだわるの?

私は、みえさんの活動報告書「みえだより」の編集に関わらせてもらっています。

編集にあたって、議会の録画 や、議事録をチェックするのですが、みえさんが毎回毎回しつこいほどに(笑)、議題として挙げているのが「子どもの貧困」「虐待」に関してです。

たとえばこんな感じです。
長いので、お時間がある時に。

みえ:松山市では、これまで子どもの貧困について調査を行っていないようですが、貧困状態で暮らす子どもがいないはずはありません。松山市において生活保護世帯に暮らす子どもの人数、また児童扶養手当を受給する家庭の子どもの人数、さらに就学援助を支給されている子どもの人数は、それぞれ何人いるのでしょうか。

答弁:本市の平成30年4月1日現在での生活保護世帯で暮らす18歳未満の子どもは1,015人、児童扶養手当を受給する家庭の18歳未満の子どもは8,001人、就学援助費を支給されている小学生及び中学生は、平成30年3月31日現在で6,015人となっています。以上でございます。


みえ:松山市の子ども総合相談センター事務所では、家庭の経済的な貧困が原因と推察される保護者からの相談や関係各所からの連絡にも対応されています。子ども総合相談センター事務所が、市全体の状況を把握しているとは言えないと思いますが、深刻な事態を目の当たりにする事務所だけに、貧困の実情を理解するための役立つ情報が集まっていると思います。子ども総合相談センター事務所が、貧困を背景に対応、支援した実例を幾つかお聞かせください。

答弁:貧困が背景にあるとして対応した2つの事例を紹介します。1つ目は、子どもの万引き等の問題行動の相談を受けたケースです。家庭の収入が不安定で、携帯電話の通話料や保育料を滞納していました。子どもたちの文房具はそろっておらず、習字道具や鍵盤ハーモニカは兄弟で共有しており、子どもは丈の合わない衣服や季節外れの衣服を着用していました。そのため、学校と連携して学用品をそろえ、心理士が子どもたちと面談し、精神面の支援を続けました。また、保護者が入学準備を進める中、通学用の自転車の購入に苦慮していたため、ボランティア団体と連携し対応しました。問題行動への対応については、児童相談所や警察と連携し、定期的に子どもへ声がけするなど、再犯防止に向けた支援を行いました。2つ目は、不登校相談を受けたケースです。家庭状況を確認したところ、保護者は入退院を繰り返しているため就労できず、経済的に不安定で、電気などのライフラインがとまり、子どもは十分な食事がとれていなかったので、一時保護となることもありました。そこでまず、生活保護による経済的安定を図りました。子どもへの対応は、学校と連携して登校を促すことで、不登校は徐々に解消し、給食を食べることで、栄養状態や生活リズムも改善されました。

平成31年 3月定例会 

みえ:令和元年11月29日に新たに改定された大綱が閣議決定されたところであるように、子どもの貧困問題はとどまることなく、今後も力を入れていくべき課題であると認識しています。松山市の財政事情が厳しいことは理解しているものの、子育て世代の支援には一層注力すべきものではないかと考えています。松山市の就学援助の支給基準の状況と今後の充実方策について御所見をお聞かせください。

答弁:本市では、文部科学省が示す要保護児童生徒援助費補助金の予算単価を参考にして、財政事情等にも配慮しながら、就学援助の支給基準を決定しています。対象経費のうち、修学旅行費や通学費については、実費を支給することで国を上回る基準となっており、入学準備金についても、今年度の入学者から支給額を引き上げたところです。また、就学援助の充実については、新たな財源確保が重要であることから、適切な財政措置のあり方について、引き続き全国都市教育長協議会等を通じて国に働きかけるとともに、他団体の動向にも注視しながら研究していきたいと考えています。

みえ:国の制度に加えて、松山市独自で就学援助の制度をつけ加えてくださっていることは本当にありがたく思っていますが、現状、3人、4人、5人、6人と抱えて育てる御家庭の生活の厳しさは聞いておりますので、またその辺のところを詳しく検討していただきますようにお願いします。

令和 元年12月定例会 


今回の記事では、みえさんがなぜ「子どもの貧困」にこだわるのか?松山市の「子どもの貧困」の実情について掘り下げていこうと思います。

 

子どもの言葉と大人の言葉は違う

定例会の資料読ませていただいたのですが、愛媛県でも「子どもの貧困」がある現状に驚きました。TVなどで虐待や貧困のニュースを見てもどこか他人事に感じていました。愛媛にもこんな現実があるなんて。

ニュースで報道されているのは、ほんの一部。現状はもっとひどいです。でも表沙汰にならない。その理由は、社会課題としての言葉と、子どもからの言葉ってすごく違いがあるからなんです。

社会課題としての言葉と、子どもからの言葉???

子どもは親の世界で生きています。たとえば虐待を受けている子どもは生まれた時から、親に怒られたり叩かれる環境が当たり前なんです。だから自分からはSOSを出しづらい。それが虐待とは気づかないから。

たしかに。

だから、行政が子どもにヒアリングしても、虐待の疑いや、軽度だと、 行政は保護者に対してなすすべがないのが、現実。死ぬか生きるかのレベルになってからやっと表沙汰になる。

子どもに聞いても、「大丈夫」「お母さん(お父さん)はやさしいよ」って言っちゃうんです。

なるほど。それが言葉の違いなんですね。言葉が違うと話が噛み合わないし、虐待を見つけ出すのが難しくなる。

そうなんです。大人的に、社会的に「問題がある」と思っても、子どもが「大丈夫」って言っちゃうと安否確認以上のことができない。
子どもは自分から言い出すことがとても困難。だから、気づいてあげる仕組みが大切だと思うのです。

昔は、衣服などの見た目から貧困状態がわかりやすい時代でしたが、今は見た目ではほとんど普通の子が貧困状態だったりします。仕事で忙しくしている親御さん、シングルマザー・ファザーなど、家庭環境もさまざまだから尚のことわかりづらい。

家事援助や在宅保育などのサービスを提供して、 親を責めずに手助けしながら、 子どもを助けていく仕組みが必要だと思います。

見たくない現実を顕在化させるために

子どもたちが自分でつらい現状を表現できない場合、どうやって大人が助けてあげたらいいのでしょうか。

まず、子どもの声を通訳できる人が必要です。子どもとの対話は質問の仕方で変わります。ちょっとしたSOSを見逃さず、問題意識を持つことが大切。しかしそれはとっても技術が必要なことだと思うんです。

私がずっと切望している「スクールソーシャルワーカー」「子ども部」の創設は、子どもの声を通訳できるプロを配置し、問題を見逃さない仕組みなのです。

それで毎回毎回、しつこく(笑)議題に挙げられているんですね。

松山市としては見たくない現実です。県内にこんなに子どもの貧困や虐待の事実があるなんて。でも、毎回しつこく議題にあげることで、議場で問題を顕在化することができる。

問題を顕在化することで、共感する人と繋がることができる。問題解決に向けて、動き出す準備ができる。

私も、みえさんが質問してくださったおかげで、愛媛の現状を知ることができました。

 

みえさんも虐待家庭に育った

貧困と虐待って、セットなんです。
お金がない→機嫌が悪い→子どもを叩いて育てる
「金持ちケンカせず」っていう言葉がありますが、それは本当。

金がない→逃げたい→男(女)に走る
これもパターン。

みえさん、なんかやけにリアルな情報ですね・・・。

そうなんです。実は私自身、虐待家庭で育ったんです。

え!?

私は、いつも「お金がない、お金がない」と言っている不機嫌な母に育てられました。

小学校の時、「それぞれ50円を持ち寄って、材料を買って、クッキーを作ろう!」というお友達内での企画があったのですが、たった50円のお金を母にもらうことを躊躇して行けなかったことがありました。その時の辛い気持ちがあるから、私が今主宰している「子どもキッチン」は全員無料参加にしているんです。

そうだったんですね・・・。

母がいつも、「歯が痛い、歯が痛い」って言っていて。でもお金がなくて我慢していて。子どもながらに、苦しくて、寂しい思いをしました。

小さな子どもは、自分の親から逃げられないですもんね。

そんな母でも、唯一読書はさせてくれた。
家に本はたくさんあったのと、移動図書館を利用して、私は本の世界に逃げ込むことができたんです。

そして本のおかげで、「なぜ?」と考えるクセがついた。

なぜ、うちは貧乏なの?
なぜ、お母さんはいつも不幸せそうなの?
私のせい?
どうやったらもっとマシに生きていける?

その「なぜ?」のエネルギーが、みえさんを今の「議員」という仕事に導いていったのですね!

ちなみに大きくなってからのみえさんはどんな感じだったんですか?家庭環境の呪縛からは解き放たれたんですか?

・・・中学時代はグレてました。
20になって家を出ましたが、子ども時代の反動でまっとうに生きることはできていなかったです。

大学の授業料の後半は、親以外の人に助けられて工面してきました。いろんな大人に出会い、いろんな世界を見ました。

なるほど・・・みえさんの人間としてのキャパシティが広いのは、その経験からなんでしょうね。

私自身、欠点の多い人間だし、 沢山失敗して、色々な方に救ってもらってきましたから。

みえさんの人間力の理由が分かった気がします。
次回のインタビューでは、子どもの貧困と虐待をなくすためにみえさんが考えている施作について教えてください。

いけだみえ

https://ikedamie.info/