前回の記事 vol-03トンカラリと糸飾り の冒頭にて、少しだけご紹介しましたが
松山トリコのご縁で、
松山市社会福祉協議会から、古着物再利用の相談を受けた和子さん。
寄付で社会福祉協議会に集まった着物を再利用できないかという内容でした。
着物の幅を生かす
着物の生地は、とても上質なのですが、
幅が決まっているという不自由さもあります。
しっかり縫製されているので、ほどく作業も大変です。
どうすれば、着物を生かして魅力的な商品を作れるか・・・
和子さんは悩みました。
そして、【着物の幅を生かす大きさ】という観点で誕生したのがこちらのクラッチバッグです。
松山トリコで、内職の大変さを知っていた和子さんは、
作業を最大限にシンプルにすることを考慮。
着物の幅でまっすぐ縫えるものは・・・?と考えたのです。
着物をほどく作業は、松山トリコで信頼関係ができていた
就労継続支援事業所 なないろ工房さんへ。
縫製は、主婦の縫い子さんにお願いしました。
着物生地の表情はさまざま。
裏地にあえて全く違う柄を持ってくるのが和子流。
小さな内ポケットがあるのもこだわりの一つ。
COMOHAPIのロゴが貼り付けてあります。
※COMOHAPIの意味については前回の記事をご覧ください。
布と鉄。異素材のコラボレーション
バッグのアクセントにつけているアクセサリーは、西永工業さんが作成してくれたもの。
西永工業さんは、架台・フレーム製造・機械加工・溶接全般まで手掛ける鉄工所。
鉄の新しい可能性を探るべく、オブジェやアクセサリーなど幅広い制作にチャレンジしています。
西永さんとは納品先で偶然出会ったのですが
素晴らしい提案力とフットワークで、トントン拍子に制作が進みました。
デザインは、日本伝統の吉祥紋を智子さんがアレンジしたもの。
それぞれに縁起の良い意味を持ちます。
こうして出来上がった、縁起物のクラッチバック。
今は、製作の流れが変わり、
着物の仕入れから断裁、縫製まですべて和子さんが手がけています。
着物の生地は絹が多く、柔らかいものが多いため、広げてもなかなか落ち着きません。
そんな生地に芯を貼るのが、なかなか大変な作業。
でも芯のおかげでパリッとしたバッグを作ることができます。
裏地との組み合わせは悩みますが、楽しくもあります。
歪みのない長方形にするのはなかなか気を使う作業。
歪まないために裁断をきちんとすることが大事。
ミシンがけも集中!です。
クラッチバッグにはストラップをつけられるリングが付いています。
ストラップは、着物の帯からできたもの。
フタはマグネットでピチッと止まります。
カジュアルな洋装でも、男性にも合う万能クラッチバッグ。
バッグINバッグやタブレットケースにもなります!
納経帳を入れられるミニサイズも製作中♪
着物の柄と文様、裏地やストラップ、組み合わせが無限大の一点もの。
パワーをくれるお守りバッグとして、
いつものコーディネートにプラスしてみませんか?