目次
高知県高知市に、とっても素敵なモデルハウスが誕生したと聞き、お邪魔してきました。
つくったのは、高知市内にある工務店 宇田見建設さん。
宇田見社長夫妻、将司さん、喜子さんとお話する機会をいただき、建物はもちろんのこと、社長夫妻の素敵な考え方にすっかり惚れ込んでしまった私!家づくりのことだけではなく、人生をもっと楽しむためのヒントをたくさんいただいたので、シェアしたいと思います。
物語をつくり込む
7月23日にグランドオープンした、住宅展示場「住まいるパーク」。たくさんの建物が並ぶ中、ひときわ独特な雰囲気を放っているのが宇田見建設さんのモデルハウス「U51」です。
カタチが均一でないレンガタイル、さりげなく収納されたサーフボード、アンティークのベンチやドアetc…
「サーファー好きなご主人のお家かな?」
「奥様は、ここでベンチに座ってお庭を眺めるのが好きなんだろうな〜」
そんな想像力を掻き立てる入り口です。
アンティーク のアイテムがとっても素敵です!どこから仕入れをしているんですか?
この玄関ドアはイギリス製のものなのですが、県外まで買い付けに行きました。古材は、県外など四国内で仕入れることが多いです。
カタログから注文するんじゃなくて、社長自らが買い付けにいってるんですね・・・!びっくり。
宇田見夫妻は、よく買い付けの旅に出かけているそう。一期一会の出会いを大切に、ピンと来たものを手に入れるのだそうです。
「U51」というネーミングには、【家族の好きを『1』番に考えた『5』つのこだわり】という意味があります。
●UNIQUE(ウタミにしかできない唯一の)
●UNITE (新建材に古材の組合せ)
●USE (使いやすさ)
●USED (アンティーク素材や古材の風合い)
●UNIVERSE (製品を国内外から取り寄せ)
『5』つの『U』『1』オンリーワンな家づくり。
そして、宇田見建設は今年で設立『51』年目。
UTAMIさんは、モデルハウスごとにロゴも作っているのですが、今回のロゴはこちら!
このロゴにも、このモデルハウスの住人の趣味や趣向、UTAMIさんからのメッセージが込められています。
家族構成▶︎パパ・ママ・娘の3人暮らし
Lieblings▶︎ドイツ語で『お気に入り』と言う意味
パパのお気に入り(趣味・コレクション)・・・『飛行機』『車』
ママのこだわり・・・『家事のしやすさ』や海外のインテリア
娘の大好き・・・『海外の洋服やおしゃれ』
パパのお気に入りの飛行機をロゴに取り入れ、
今はコロナ禍でなかなか旅行にも行けませんが、
早く、飛行機に乗って、どこにでも自由に飛んでいけるようになりますように・・・という願いも込められています。
私自身も、制作物をつくる時に、テーマやペルソナなどを設定してからつくりはじめるのですが、この部分が細かければ細かいほど、いいものが仕上がると実感しています。
UTAMIさんの家づくりは、最初の作り込み=物語性を、徹底的にコーディネートされているのが伝わってきました。
“好き”からはじまる家づくり
さて、実際にモデルハウスを探検してみましょう〜。
まず、玄関に入る前に目に入ったのが、小さな“離れ”!こちら、なんとゲストルームなのだそうです。
お友達が遊びに来たときに、気軽に泊まってもらうための小さなお部屋。大きな窓からは、お庭の木々が目に入り、リゾート気分を味わえそうです。
離れと、中庭を挟んで見えるのが、家族の住まい。
さりげなく置いてあるアンティーク にもセンスが光ります。
家族の住まいの玄関に入るとすぐに、お父さんの趣味部屋があります。
お父さんの趣味は、「飛行機と車」という設定。
趣味部屋には、プラモデルをつくるための作業台があります。
壁には飛行機の模型がずらり・・・。
ひゃ〜!こんなにそろえるのって、めちゃくちゃお金かかりそうですね・・・。このモデルハウスのために収集したのですか?
いや・・・実は、私が飛行機が大好きで、昔から集めていたんですよ。
飛行機を眺めるために、家族を連れて飛行場にもよく行っていたから。だんだん家族みんなが飛行機を好きになってくれて。それで、自然に飛行機グッズが増えていきましたね。
将司さんは、昔から凝り性だったんですね!!
家族も好きになってくれてよかった(笑)
プラモ部屋の隣には、ガレージが!
愛車がカッコよく停まっています。
この車、実際に社長が乗ってらっしゃるんですか?
はい。そうです! 車も大好きなんです。
今の若い子たちは、車にこだわらない人多いかもしれないですね。僕はめちゃくちゃこだわります。
たしかに〜我が家も車にあまりこだわりないです…(笑)
カッコよさよりも燃費のよさとか、性能とか気にしちゃう。あとはお値段。
社長が乗ってらっしゃるような車は、正直高いし、メンテナンスの手間もめっちゃかかるイメージです。
そうですね(笑)
たしかに、お金と手間はかかります。
でも、車好きって、「どう?かっこいいやろ〜!」「ここにこだわっててね〜!」って語れる部分があることが楽しくてね。
なるほど!
この部分って、宇田見さんの家づくりにも大きく反映されている気がしますね!
そうだと思います。
僕たちが目指しているのは「オンリーワンの家づくり」。
施主さんのこだわりを、一緒に追求していきたいと思っています。
そのために1個1個のパーツにまでこだわります。
例えば、こちらのマリンライトは、信頼している古道具屋さんから購入したレアなビンテージもの。
灯具部分は、白熱球やLED電球を雰囲気に合わせて変えることができ、不具合もメンテナンスしてもらえるので助かります。
モノとの出会いは一期一会なので、モノを販売している人やお店、その後のメンテナンスでのつながりも含めて、とても大事にしています。
どこを見渡しても、妥協したアイテムがないですもんね・・・このおうち!
モノにもきちんとストーリーがあるんですね。
世界観を大切にした、“見た目の美学”
ガレージと隣接していて、いつでも愛車を眺められるリビング。
しっかり床暖房が入っているおうちですが、薪ストーブも入っています。
床暖房が入っているなら、機能的にはそれだけで十分だと思うのですが、敢えての薪ストーブなのですね?
そうです。
炎が見えるのって、すごく落ち着くじゃないですか。
家って、「心地よさ」をどれだけ追求できるかだと思うんです。
それって、「見た目の美学」だと思うのですが、
自分にとって心地よいと思うものに、きちんとこだわることって大切だと思っています。
炎や愛車を眺めながらくつろげるソファ席の向こうには、ちらりとガス乾燥機が見えます。
これは・・・もしや「乾太くん」ですね!
私も、最近購入したんですよ〜!とっても便利ですよね。
乾太くんがあるってことは、電気だけはなくガスも取り入れてらっしゃるのですね。
そうです。
僕のモノ選びの基準は「心地よさ」なんです。
ガスキッチンだと料理が美味しいし、床暖房には、足元からじわじわ伝わる、ほかの暖房では手に入らない心地よさがある。
そう思ってガスをセレクトしています。
キッチンは木製&タイル貼りです。
わ〜!
木製のキッチンってなんだか珍しいですよね。
だいたいステンレスじゃないですか?
そうそう。普通はスレンレスとか人工大理石とかなんです。
でも、敢えての木製。
というのも、僕たちはモデルハウスを作る時、映画を参考にしているんですが、今回のイメージは80年代のアメリカなんです。
アメリカって、ペンキの文化なんですよ。
なるほど〜。そういうことですね。
よく見ると、この引き出しとかも全部ペンキで塗ってありますね・・・。可愛い!
よくぞ気づいてくださいました!
実は、これ僕がデザインと設計をして、職人さんにつくってもらったものなんです。
宇田見建設では、キッチンや家だけでなく、そこで使用する家具の設計やデザインもしていて、おうちに合わせてコーディネートさせてもらっています。
家具まで造作できると強いですね!
そうなんです。この雰囲気がどうしても既製品では出なくって。職人さんにこだわってつくってもらいました。
なかったら自分で作るしかないんです。
家は、“性能”でも“広さ”でもない。
キッチンの隣は、家事室。
アイロンがけスペースのほか、ちょっとした作業ができるカウンター。
振り返ると洗濯機と乾燥機があり、洗濯物がここで完結するようになっています。
家事室、めっちゃ可愛いですね〜〜!
このおうちに住むお母さんは、イラスト作家のイメージなんです。なので、この家事室は、家事の合間にデッサンをしたり、制作ができる小部屋としてつくりました。
きゃ〜!
素敵すぎる・・・!!!
やっぱりイメージってすごく大切ですね。全てがイメージで決まってくるから。
こちらは夫婦の寝室ですか?
すっごくシンプルですね。
寝室は、天井高を低めになるべくシンプルにつくりました。
僕の考え方としては、家は広さじゃないんですよね。
天井高にも、「通常ならこのぐらい」という数値がありますが、それよりも低い方が好みなのでそうしています。
基本的な考え方として、「数字に囚われすぎない方がいい」って思っています。
興味深いです・・・!
今、性能を追求する家が多いですよね。数値をウリにしている工務店さんも多いですが、宇田見さんはそこよりも大切なことがあると考えられているんですね。
はい。
高性能の家も素晴らしいと思いますし、今はある程度の性能キープはマストになってきています。
でも、うちが大切にしているのはそれ以外の部分です。
例えば、窓のサッシにもいろんな種類がありますよね。
樹脂サッシ、アルミ、スチール、木製サッシ。
このサッシは、雰囲気に合わせてスチールをセレクトしているのですが、スチール って結露するし、錆びるんです。
それでいて、金額は高い。
でも、敢えてスチール をセレクトしています。
性能のよさ以上に、世界観を大事にしているんですね。
納得するまで、追求する
小屋裏部屋は、「娘の部屋」。
ティーンネイジャーの部屋をイメージしています。
すっごく素敵です!
この部屋に住みたい・・・。
1階にもバスルームはありますが、それとは別にシャワールームもつくりました。家族構成の変化に伴って、2階の子ども部屋をゲストルームとしても活用するなど、生涯を通じて2階を有効活用できるからです。
やっぱり作り込みが徹底していますね。
こういうペルソナのイメージはどうやってつくってるんですか?
映画からインスピレーションをもらうことが多いです。私たち夫婦は映画が大好きなんです。
インテリアや登場人物の設定など、映画に影響を受けることが多いです。
ちなみに、このルーバーにはとってもこだわりました。
イメージ通りの質感を出すために、ペンキ屋さんに見本帳を借りて、何十種類もペンキを試し塗りして、乾かして・・・を繰り返して今の色に仕上げました。
ペンキって、見本帳ではわからないんですよね。
すごいこだわりです・・・!!
さすが!
宇田見建設の信念とは
モデルハウスをぐるっと見せていただいて、感じたのは、宇田見さんの家づくりへの情熱。
1箇所1箇所に手を抜かず、好きな世界観を貫き通す。
それでいて、押し付けがましい感じはしない・・・。
その秘密はどこにあるんだろう?
そう疑問に感じて、今までの宇田見建設の歴史をお尋ねしてみることにしました。
宇田見建設さんは、いつ創業されたのですか?
創設は1946年〜。
私の祖父が立ち上げて、父が継いで、7年前に私が引継いだので、私で三代目ですね。
社長、3代目さんだったのですね!
今のような雰囲気の家づくりをはじめられたのは、社長の代からですか?
もともと、職人だった祖父が家づくりをはじめて、父の代で株式会社に。
私は、宇田見建設の営業マンとして仕事をしていました。
え・・・営業マンだったんですね!
それが、今では完全に作る方にどっぷりですね。
父である社長から、突然「モデルハウスを設計してみろ」と言われたのがきっかけでした。僕、それまでは設計が大嫌いだったんです。社内には、優秀な設計士さんがいましたし。自分の出る幕ではないと思っていました。でも、実際にやってみると、すごく楽しかったんです。
意外です!
最初は、お好きではなかったのですね。
それが今では、すごく情熱的にお仕事をされてらっしゃる!
そうですね。
あるときに気がついたんです。
営業も設計も同じだって。
宇田見建設がご提案したいことは一つ。「宇田見の家づくりの感覚」を売っているんです。
それ、すごく納得です・・・!
私、今日建物を見させていただいたのですが、「わ〜素敵!!!」っていう感覚以上に、宇田見さんの家づくりのポリシーに刺激をいただきました。
そう感じていただけるのはとても嬉しいです。
僕たちがつくっている家は、デザイン性だけでもなく、性能だけでもない。
施主さんが
「カッコいいやろ〜!」
「ここにこだわっててね〜」って語ることができる家なんです。
最初の方にお話いただいた、車の話と同じですね!
モノを買うときのワクワクした感覚ってわかりますか?
本人にしか感じられない、直感のようなものがあるじゃないですか。
例えば、ゴルフクラブを買うときに、「この顔がいいんだよな〜」みたいな感覚です。
それって、まわりの人全員には共有できない、自分だけの感覚なのかもしれませんが、そういう感覚を大切にしてると人生楽しいと思いませんか?
眺めながら、ずっと「いいなぁ〜」ってニヤニヤできる感じ。ずっと大事にできる感じ。
僕はその感覚を大切にしたいって思うんです。
あ〜〜〜!!!
それ、すっごくわかりますっ!!!!!
金額とか性能じゃないんですよね。
もはや「愛」とか「恋」みたいなものですよね。
無条件に好き・・・みたいな!!!
そうですね。
値段や性能というより、自分にとっての「心地よさ」や「ワクワクした気持ち」を優先したモノ選びをしています。
とっても素敵なことですね。
とはいえ、現実も見ないといけないので(笑)
宇田見は、お客様の予算と敷地、家族の状況をお聞きして、ちゃんと折り合いをつけています。
それぞれの状況とやりたいことのコーディネートをしていく
「頑張りが効く会社」と思っていただければ!
デザイン性が高いと、
「価値観を押し付けらえてしまう・・・」とか
「めちゃくちゃ高そう・・・」とか
庶民な私は思ってしまうのですが、宇田見さんにはそれを感じないです。
きちんと施主様に寄り添って、折り合いつけられてるからでしょうね。
そうですね!
施主さんが「本当にやりたいこと」を見極めて、
「それなら、できるだけコンパクトにつくりましょう!」とか
「家本体よりも、ガレージと庭を充実させましょう!」とか、
「ロフトはいらないかもしれないですね?」
とか提案しながら進めています。
あと、うちは「教科書通りのプラン」をしないので、そこらへんも融通効くはずです。
そうでしょうね(笑)
このモデルハウスを見えば、わかります。
宇田見さんの家づくりのポリシーに、私自身、とっても大切なものに気づかされた感覚がありました。
もっと「好き」を大切にしよう。
そうすれば、人生はもっと楽しく、豊かになるって思いました。
特に、一生過ごす家は、特に大切につくりたいもの。
妥協せずに、追求してくれる宇田見さんがパートナーとして家づくりに伴走してくださったら・・・それはなんて心強いことでしょう。
ぜひモデルハウスをのぞきに行ってみてください。
そして、「好き」を感じる心地よさを
宇田見建設株式会社