子どもたちの放課後をより良くするために〜松山市の児童クラブが抱える課題〜

今回の話題は「児童クラブ」です。

みえさんが何度も議会質問で取り上げ、少しずつ前進しているテーマ。

具体的な課題やこれからのことについてインタビューさせてもらいました。

みえさんは松山市の児童クラブが抱える課題って、どのようなことだと思いますか?

1番は、受入の量の確保の課題です。制度では小学生は6年生まで、受入可能としてますが、現実は、希望しても入れない「待機児童」の問題は解消できていません。

2つ目に、保育の質に関わる支援員の確保と処遇の課題です。度々、質問や要望を続けて少しづつ改善は進められていますが、支援員の処遇は他と比較して低く、人材確保は難しい状況が続いています。

3つ目は、多様なニーズや活動への対応への課題です。障害を持つ子、様々な家庭環境や特性のある子ども、高学年の居場所、学習やスポーツ、様々な体験活動のニーズなど、それぞれの子どもの事情やニーズへの対応が課題です。

一つずつ聞かせてください。
1の「受入の量」に関してですが、待機児童がどのぐらいいるのでしょうか?
松山市とほかの市の比較で具体的な数字ってありますか?

こちらの表をみてください。
全国の児童クラブを利用できなかった児童数(待機児童数)なのですが、松山市の待機児童数は令和7年度が132人、令和6年度が130人となっています。

おぉ・・・増減率は1年で2人増。
ほぼ横ばいですが、全国的に減少傾向である中で微増・・・。

しかも、中核市のリストを見ると、松山市の132人って目立ってますね。
中核市のワースト3が、1)尼崎市323人、2)姫路市255人、3)西宮市218人なので、関西圏の激戦区に次いでワースト上位に入っている感じですね。

そうなんです。
しっかり数字に表れているので、松山市が早急に取り組むべき課題のひとつだと認識しています。

続いて、2つめの支援員さんの待遇の件ですが、支援員さんの待遇は松山市で定められているのでしょうか?

公設民営の垣生の児童クラブのアルバイト・パートの募集要項を見ると、時給が1,120円ということがわかります。

時給 1,120円という数字だけを見ると、愛媛県の最低賃金(2025年10月改定時で956円程度と想定)よりは高い設定です。しかし、問題はその業務内容との対価です。

業務内容は「子どもたちを見守る」「安心して過ごせる場を提供」とありますが、実際は怪我、アレルギー、喧嘩、不審者対応など、一瞬の油断も許されない「リスク管理」の連続です。

「物」や「サービス」を扱う仕事と、この「子どもの命」を預かる仕事の時給差がわずかである点は、社会的価値の低評価として受け取られるのではないでしょうか。

たしかに・・・求人のタイトルに「保育士・教員・講師」と専門職を並べながら、その横に「無資格可」「経験不問」が並んでいる点に違和感がありますね。

専門資格を持つ人が持つ「発達支援の知識」や「教育的配慮」が、無資格者と同じ「見守り」という枠組みで一括りにされ、同じ賃金で募集されているのは確かにおかしいかも。

「誰でもできる」という打ち出し方も、現場の専門性を否定し、結果として支援員の社会的地位を下げてしまっているような印象です。

募集が「アルバイト・パート」のみであることも課題です。

これでは、この仕事を「一生の仕事」として選ぶ若者が増えません。

タグにある「若手活躍」と「扶養内OK」が同居しているのは、あくまで「家計の足し」としての労働を期待している表れであり、自立したプロを育てる環境ではないことを示唆しています。

「時給1,120円」という数字は、一見「そこそこ」に見えますが、【専門性の否定 × 命の責任の重さ × キャリアパスの欠如】という3点を掛け合わせると、非常に「割に合わない」構造が見えてきます。

はぁ・・・なるほど。
思ったより厳しい現実を感じました。

一方、保護者のニーズに関して教えてください。
具体的にどのようなことに困っているなど、聞いた声があれば教えてください。

松山市には、みなさんからの市政に関するご意見・ご提言を送っていただく「わがまちメール」という仕組みがあるのですが、こちらに届いたご意見の一例がこちらです。

⚫︎児童クラブのおやつについて 
⚫︎児童クラブの昼寝時間

宿題をみてほしいとか、オヤツの量、質の意見とか、子ども同士のトラブル、過ごし方など、日々、ご意見や要望などは様々にたくさんあるようです。

保護者からも、さまざまなご意見がありそうです。
すべてに対応していくのは難しい気もしますが、基本的に「各クラブにおまかせ」という感じなのでしょうか?

松山市の児童クラブ(放課後児童健全育成事業)は、国が定める「放課後児童クラブ運営指針」に基づき、市独自の条例(松山市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例)に準拠して運営されています。

働く保護者のため、安全な遊びと生活の場を提供し、放課後児童支援員等が育成支援を行います。

各クラブとも限られた人員と予算と場所の中で、子どもの安全を確保しながら、それぞれに工夫しながら遊びや活動を行っています。

そうなんですね。
では、みえさんが課題だと感じていることを解決するためには、松山市の条例を変えないといけないということでしょうか?

制度を変えることを決めてからの条例改正なので、条例改正をすれば解決という訳ではありません。
まずは予算だと思います。
多くの子どもの命と生活を守る事業なので、より良い運営が出来るように予算を増額を求めてきました。

令和8年度予算には、少し改善された予算措置が加わりました。
より良い児童クラブ運営が進むことを願って、代表質問にも取り上げました。

(6)児童クラブについて

放課後の子どもたちの安全な居場所、児童クラブについて伺います。

こども家庭庁は、すべての子どもが放課後を安心して過ごせるよう、量と質の両面での充足を支援する「放課後児童対策パッケージ」を推進しています。本市においても、少子化が進む一方で共働き世帯は年々増加しており、今や新小学1年生の約半数が児童クラブを利用するという、極めて高いニーズが続いています。

こうした中、放課後の居場所としての充実を図るには、運営に必要な人材を確保していくことはもとより、支援の質のさらなる向上にも取り組んでいく必要があると思います。本市には、地域の関係者らで組織する運営委員会が運営する公設児童クラブと、民間事業者が独自に運営を行う民間児童クラブがありますが、児童クラブの充実を図るためには、それぞれに特徴を踏まえた対策が必要であると考えています。  本市では、令和6年度から 民間児童クラブ  への補助を開始しましたが、  多様な体験活動を取り入れたり、複数の小学校から児童を受け入れたりするなど、それぞれが工夫を凝らし、こどもや保護者のニーズに対応しており、その役割はますます重要になっていくと思います。

こうした中、新年度予算では、公設・民間それぞれの新たな取組が予算計上されており、本市が児童クラブの充実に向けて取り組んでいることが伺えます。さらなる充実を願い、2点お伺いします。

① まず1点目は、公設児童クラブについて公設児童クラブについて、支援員の処遇や負担軽減に向けて、R8年度から新たにどういったことに取り組むのかお答えください。

② 2点目に、本市では、令和6年度から民間クラブへの補助を開始しましたが、補助開始前の令和5年度と比べて、受入れがどのくらい増えたのかお答えください。また、今回、補助を拡充する内容についてお答えください。

これに関しての答弁、読ませていただきました。
少しずつですが、改善が進んでいる感じですね。

【答弁】
1点目ですが、公設クラブに対しては 昨年12 月、県内の最低賃金が77円 引き上げられたことを踏まえ、運営委員会が 支援員の処遇改善に取り組めるよう、 令和8年度から、委託料の時給単価を、100 円引き上げ、1,220 円にするとともに、支援員がこどもと関わる時間を確保するため、 新たに会計など周辺事務を担う職員を雇用する 費用を、委託料に加算するための経費を当初予算に計上しています。 

また、保護者の利便性向上やクラブの事務負担を軽減するため、入会状況や負担金などの管理を市が直接行うためのシステム導入のほか、 入会などの申請手続きのオンライン化や、 負担金の支払方法を口座振替に統一するための準備を進めます。

2点目ですが、民間児童クラブは、令和5年度の 13クラブ、476人の利用から、7年度には16クラブ 573 人に増加しており、現在も、複数のクラブの 開設について相談を受けているところです。 

また、補助内容も、児童を小学校からクラブに 送迎するための費用や、19 人以下の小規模クラブで 複数の支援員配置に係る費用も補助対象とするよう 制度を拡充し、民間児童クラブへの 更なる支援に取り組みます。     

みえさんの今までの活動を側で見させていただいて、予算を増やしたり、制度を変えていくのって、本当に根気がいる仕事なんだな・・・と感じています。

みえだよりvol.16にも今までのみえさんの児童クラブに関して議会質問で取り上げた内容が掲載されていましたが、初当選議会の2014年からずっと質問を続けられているんですね。

令和6年度予算から、民間児童クラブへの補助が実現したのも素晴らしいことだと思います。

ありがとうございます。

政治は議会の合意で決定して進んでいます。
「政治に絶対的な正解」というのはないんです。
みんなそれぞれ「正解で、よいこと」をしようとしているというのが前提です。

だから、共感と合意をつくっていくのが私の仕事だと思っています。

子ども医療費に関しても2010年からずっと言い続けて、実現が叶いましたもんね。
しかもその後、「ひとり親家庭医療費助成の在学延長」に専門学校を加えたり・・・アップデートし続けているのがすごいなと思います。

ありがたいことに、私の周りには声を聞かせてくださる方がたくさんいらっしゃいます。

私が目指しているのは、「愛と信頼の好循環で、夢と希望が叶う松山」です。

家庭の悩みは個人の悩みではなく、社会全体の課題です。

声の数自体は少なくても、取り残される人がいないように・・・これからも、みなさんの声を聞かせてもらえたらと思います。

今回も、質問にたくさん答えていただきありがとうございました。

児童クラブひとつとっても、「これが普通だからしょうがない」になってしまっている部分がたくさんあるな・・・と感じました。

諦めさえしなければ、ものごとは前に進むし、よりよい方向に進んでいくことができる!

みえさんの、諦めない姿勢、小さな声をすくいあげて議会にあげていく姿勢、とても頼もしく感じました。

次回は、みえさんの座談会に参加したときのレポートをお届けします。

お楽しみに!