vol.01 薬剤師から経営に目覚めたあの日のこと。

人は毎日、浴びるようにたくさんの情報を得ています。

スマホが普及し、SNSが流行し、便利なアプリがどんどん開発されて、たくさんの情報が行き交う毎日。

一説では、現代の一日に触れる情報量は平安時代の一生分、江戸時代の一年分とも言われているようです。

そんな風にインターネットがどんどん身近になり、「地域メディア」というものがたくさん出てくるようになり(このせいかつクリエイトも、「地域メディア」です。)・・・やがて飽和状態になって、淘汰されるようになってきました。

つまり、数年前にローンチしたウェブメディアがもうすでになくなってしまっていたり、更新が滞ってしまったり。ウェブメディアの新陳代謝はとても早いな〜と感じています(明日は我が身^^;)。

そう・・・地域メディアって、続けるのが大変なのです。

そんな中、次々とウェブメディアを立ち上げ、ものすごい情報量を整理し、ユーザーに役立つカタチにして届け続けている会社があります。

株式会社メディカグループ

代表を務めるのは、元薬剤師という変わった経歴を持つ石崎隆志さん。

私は、石崎さんがメディアを立ち上げてすぐの頃からの付き合いなのですが、この10年間で3つの地域メディアを立ち上げ、継続しています。

最初に立ち上げた地域メディアは、

愛媛県の総合介護情報サイト「メディカサイト(2006年4月スタート)。

現在、愛媛県内900ヶ所以上の介護施設情報を掲載する愛媛県最大級の介護情報サイトに成長しています。

次に立ち上げたのが、愛媛県の子育て情報コミュニティサイト「母子箱(もこぼっくす)2013年4月スタート)。

愛媛のママ5万人が利用する人気サイトとなり、2015年にはいよぎんビジネスプランコンテストで優秀賞に選ばれました。

そして、2017年10月には、新たに新築住宅情報センター「HOUSEリサーチという全国メディアを公開。

現在、掲載工務店と登録者を伸ばしているところです!

地域メディアをつくることは誰でもできます。

でも、つくった地域メディアを継続させることは、とても困難です。

しかし、石崎さんはそれをやってのけています。

今回の記事では、新しい地域メディアのHOUSEリサーチのご紹介とともに、石崎さんがメディアをつくり続ける理由etc…、私の興味が赴くままに根掘り葉掘り聞いてみました。

業務改善からはじまった、IT革命

大木
 石崎さんって、もともと薬剤師さんだったんですよね?
それがどうしてIT系に進んだんですか?
石崎
薬剤師への道というのが、実は父親が敷いたレールだったんですよね・・・。
大木
ふむふむ。

石崎
九州大学薬学部の大学院を出て、愛媛へ帰ってきたんですけどね。
親の強い希望で、とある大きな病院に進むことが決まっていたんです。

でも、病院の薬剤師って定員があるため、一般的に欠員補充の仕組みなんです。
その大病院には募集の枠がなくって。

「病院の定員に空きが出るまで」という約束で、突然、別の病院に連れて行かれて、そこで働くことになったんです。

有無を言わせない状況ですね(笑)

大木
え!?そんなことってホントにあるんですね…。

石崎
その病院は、コメディカルがしっかり活躍できる病院で、薬剤師としてはとても働き甲斐のある場所だったのですが、
ただ、午後の大半の仕事が「点滴にマジックで患者さんの名前を書く・消す」という仕事。

それも大人2人がかりで一日中。
そのため、本当にやりたいことができる時間が取れなかったのですよね。

大木
 ええええええ!?
いい大学出て、薬剤師の免許も持って、名前書きって・・・。
石崎
そう思うでしょ〜。
僕も、「なんでこんなことをしてるんだろう」って毎日思っていました。

大の大人が一日中、毎日毎日密室の中でベンジンの香りに包まれて・・・。
なんて無駄なんだ・・・。

そう思って、革命を起こしたんです

大木
 わくわく♪何をしたんですか?

石崎
点滴ラベル作成システムの開発です!
大木
おぉぉぉぉ!!!
そんなことって簡単にできるんですか?
石崎
マックのファイルメーカーを使うことができたので、それで作ったんです。

名前を手書きから入力に変えるだけで、文字が見やすくなるし、ラベルを剥がすだけで業務完了!
わざわざベンジンをつかって消さなくてすみますし、何より業務を1/3に短縮することができました。

大木
すっごい時短になったんですね!
それは、みなさんに喜ばれたでしょう。

石崎
そうなんです。
とても喜んでもらえて。
で、入院患者さんのお薬サポートの業務を行う時間がたっぷり生まれたのですが、とある課題があって。

その時に私が熱望したのが「入院患者さんのベッド配置管理システム」だったんです。

大木
ベッド配置管理??

石崎
小さな病院では、患者さんの入れ替わりのが激しいんですよね。

「○○さんはどこに行った?」と、薬剤師が探し回るのが日常茶飯事。

薬剤師は最新の入院状況のリストが欲しいのに、毎日、ナースステーションに行って、患者さんの現在の配置を確認する必要がありました。

大木
うわっ。
それはめんどくさそうだー。

石崎
でも、看護師さんは忙しいので、こちらが希望する情報を入力なんてしてくれません。

そこで、病棟と外来の看護師さんの仕事を観察して、双方の無駄な業務を改善するシステムを作ったのですよね。
その、おこぼれで、薬剤師が欲しい最新情報をリストで得ることができるように。

1回10秒程度の簡単な操作で、現在の配置を更新できるシステム
を開発したんです。

たくさんの看護師さんに「とてもラクになった!」と感謝されました。
困りごとを解決すれば、みんなが便利になって感謝される。
私も便利になる。

業務改善って面白いなーって、大きなやりがいを感じはじめました。

大木
世の中を便利にするっていうのが、石崎さんのルーツなんですね。

なんか、今されていることに通じるものがありますね。

薬剤師を辞めて、経営者に。

仮住まいの病院に来て1年半・・・。

次々と業務改善を提案したことで、石崎さんは上層部からは重宝がられ、(勝手に首を突っ込みまくって!?)薬剤師以外の仕事を任せられるようになっていきました。

そんな時に、大学病院から連絡が。

「定員に空きが出たので大学病院に戻ってこい」という連絡でした。待っていたはずの大学病院からの連絡でしたが、石崎さんは、大学病院での薬剤師の仕事に魅力を感じなくなっていました・・・。

石崎
民間病院でありとあらゆることをやっていたので、大学病院での仕事は、時間と脳を持て余してしまって。

それで、大学病院に配属された3日目に薬剤師を辞めることを決意したんです。

大木
たった3日ですか!?

石崎
そう。3日(笑)。
それからどうするのか、いろいろな方向を考えていたのですが、その選択肢の中で、もとの病院からは 「経営をやらないか?」とオファーも受けていて。

最終的に半年悩んで、病院経営の道を選びました。

大木
薬剤師より経営に興味を持っちゃったんですね。

石崎
そうです。
ちなみに、父には大反対・大激怒されて、最終的に縁を切られました。
というか、縁を切りました(汗)
超親不孝者ですね。

大木
お父さんは、石崎さんが大きな病院で働くことを切望されていましたもんね。

石崎
実は、父とはもともと仲がよくなかったのですが、このことで決定的に離れることとなりました。

父が決めた道は十分歩いたから。これからは、自分の行きたい道を歩むと決めたんです。

閉鎖的な環境を変えたい

しばらく経営陣として関わっていた石崎さんでしたが、その間、医療業界に大きな転換期が訪れます。

石崎
医療制度の改定に伴い、それぞれの病院の役割が明確になってきて、それまでの「抱え込み」時代から、患者さんに適した時期だけ関わるという流れです。

急性期→回復期→維持期→慢性期または在宅。

自分たちの病院は、どの時期に患者さんと関わるのか?という課題が出てきました。

そこで、様々な病院や介護施設とネットワークを作って、 相互見学や意見交換を行っていたのですね。

大木
相互見学??

石崎
様々な病院や介護施設を見学して思ったのですが、これまで自分たちが「良い」とか「正義」だと思っていたこと以外に、様々な「良い」とか「正義」があることがわかったのですね。

私たちも、退院時には、いつくつかの選択肢を提案していましたが、逆に考えると、本当は、いろんな病院や施設があるのに、患者さんの選択肢は2つか3つほどしかないのですよね。

大木
なるほど。

石崎
当然、提案している選択肢以外にも、たくさんの病院や施設はあります。

でも、一般の人には調べる術がないので、他にどのような病院や施設があるのかが分からないのです。

システムとはデータベース。
院内の業務改善でシステムは大きく役立ちました。

インターネットを利用すると、そのシステムをどのパソコンからでも利用できる!
だから、「インターネットを使うと、世の中が便利になるのに…。どうにかできないかな?」と考え始めたんです。

大木
なるほど!
その気持ちがメディカサイトの誕生につながっているわけですね。

石崎
当時、世間はIT起業ブーム。

当時、めちゃくちゃ自惚れていた僕は、「自分だったらなんでもできるはず!」と思い上がっていたんです。

実際、仕事のかたわら、医療ブログ・メルマガを運営して超人気ブログに育てて、様々な有名病院から相談メールをもらったり、別分野でも人気ブログを育てていたりしていて。
ある程度、ブログ・メルマガの収益化もできていました。

そのノウハウとニーズを掴んでいたから、自信満々だったんですね。

大木
お仕事も多忙だったでしょうに、すごいですね・・・!

石崎
夢中になると、全然苦にならないんですよね。
努力した覚えもない。ただ、自分が欲しいと思うブログやメルマガを書いていたら、いつの間にか人気になってたという感じでした。

大木
なるほど、それでぐんぐん自信をつけていって自惚れていた・・・と(笑)

石崎
そうです(笑)
当時の僕、めっちゃ嫌な奴だったと思いますよ。
自分とは違う人の気持ちに一切寄り添っていなかったですから。

みんなに対して、「なんでできないの?」っていう態度で。
僕と関わって10円ハゲつくってた人がいたぐらいです。

大木
うわっ(笑)!
本格的にやな奴じゃないですか・・・!!!

石崎
ほんとやな奴だったんですよ・・・(笑)。

そんな感じで、「よし!僕が、世の中に必要なサービスをつくろう!!!」そう一念発起して、病院を退職。介護情報サービスを立ち上げることにした石崎さん。

介護情報サービスを立ち上げることになりました。

大木
そういえば、薬剤師さんだし、病院にお勤めだったから、医療のサイトにしようとは思わなかったんですか?

石崎
最初は医療と介護の情報サービスにしようと思っていたんです。
だから、メディカル+ケアのサイトで「メディカサイト」。

でも、「医療法における病院等の広告規制について」という広告規制の法律があって、表現方法がかなり限定されることがわかり、サービス開始前に医療分野は諦めました。

大木
確かに・・・それは厳しそう〜。
でも、それですんなり介護に移行できたんですか?
介護は未体験だったんですよね。

石崎
はい。
介護に関してはど素人に近い状況でした。

ネットワークもほとんどないので、めっちゃくっちゃ苦労しましたよ。
当時、介護業界って医療業界よりもさらに閉鎖的な世界で、ITとは対極にいる感じだったので。

大木
今でも、メールすら使っていない施設ありますもんね。
苦労がしのばれます・・・。

「介護」に関しては全く素人の石崎さん。

これがメディカサイトの始まりであり、苦難の始まりでした。

次回の記事ではその苦労話を赤裸々にご紹介します。お楽しみに!

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